真核生物ってどんな生き物?
地球に最初の生命体が誕生したのは、今から約38億年前とされています。
このとき誕生したシンプルな細胞を持つ生き物は「原核生物」と呼ばれ、のちに細菌(バクテリア)と古細菌(アーキア)の2種類に分かれました。
原核生物の細胞は膜で包まれており、中にはDNAが入っていますが、DNAを包むいわゆる核は存在せず、DNAがむき出しの状態にあります。
それから十数億年後に、より複雑な細胞を持った「真核生物」が出現しました。
新たに登場した真核生物は私たちヒトを含む動物や植物、真菌類(カビ・キノコ・酵母など)のすべての祖先に当たります。
真核生物の細胞は原核生物より複雑で、DNAがむき出しではなく核膜に包まれており、細胞のエネルギー生産を担うミトコンドリアを代表とした「細胞小器官」がいくつも含まれています。
真核生物が正確にいつ誕生したかは不明ですが、現時点での最古の化石は、アメリカの鉄鉱床の山地で見つかった約21億年前のグリパニア(Grypania)とされています。
真核生物たちがどのような進化の変遷をたどってきたのかは、詳しく解明されていません。
ただし、今日の動物や植物、真菌類などに枝分かれする前の真核生物の最終共通祖先を「LECA(Last Eukaryotic Common Ancestor)」と呼び、今から約12億年前に存在したことが分かっています。
研究者らは、このLECA以前にはすでに真核生物が地球上で支配的になっていたと考えていますが、その化石証拠はほとんど見つかっていませんでした。
研究主任の一人であるベンジャミン・ネッターシャイム(Benjamin Nettersheim)氏は「長年、初期の真核生物の化石を探してきましたが、太古の海はどちらかというと”バクテリアの煮汁(bacterial broth)”のように見えた」と話しています。
ところが今回の発見は、LECA以前に真核生物が確かに繁栄していたことを証明するものとなりました。
さらに、それらの生命体は地球に出現した最初の捕食者だったかもしれないのです。