火星軌道から見た地球(白い光源)と月(右側の淡い点)
火星軌道から見た地球(白い光源)と月(右側の淡い点) / Credit: ESA – Earth and Moon seen by Mars Express(2023)
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「自分の悩みがちっぽけに思える」火星軌道から撮影した”地球と月”の姿 (2/2)

2025.05.10 18:00:00 Saturday

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史上最も遠くから見た「地球の姿」とは?

ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」は、1990年にアメリカ航空宇宙局(NASA)の無人宇宙探査機ボイジャー1号」によって撮影された地球の画像です。

ボイジャー1号は1977年に打ち上げられ、1990年に約60億キロの距離を越えて、太陽系から離れようとする際に地球を撮影しました。

それがこちらです。

「ペイル・ブルー・ドット」(右の茶色い帯の真ん中やや下当たりに映る白い点が地球)
「ペイル・ブルー・ドット」(右の茶色い帯の真ん中やや下当たりに映る白い点が地球) / Credit: ja.wikipedia

60億キロも離れた彼方から見ると、地球はもはや砂つぶのような小さな点にしか見えません。

この一枚はアメリカの天文学者で作家でもあったカール・セーガン(1934〜1996)の依頼を受けてNASAが撮影したもので、現状、最も遠く離れた場所から撮影された地球の写真となっています。

カール・セーガンは、この”淡く青い点(pale blue dot)”を見て、次のようなメッセージを残しています。

「この小さな点をよく見てください。それはここです、故郷であり、私たち自身なのです。

その上に、あなたの愛する人、あなたが知っている人、過去に生きて、すでに亡くなった人たちの全てが乗っています。

私たちの喜びも苦しみも、何千もの自信に満ちた宗教やイデオロギーも、

あらゆる狩猟者や採集者、英雄と臆病者、文明の創造者と破壊者、王や農民、若い恋人たち、父や母、希望に満ちた子供たち、

発明家や探検家、心ある教師に腐敗した政治家、スーパースターや最高指導者、聖人や罪人、

人類の歴史における全ての人々が、ここでかつて生き、今も生きているのです。

太陽の光の中に浮遊するちっぽけな塵の上に」

カール・セーガン
カール・セーガン / Credit: ja.wikipedia

「そして私たちの自惚れや思い込み、宇宙の中で特別な存在なのだという妄想は、この淡く青い小さな点が教えてくれます。

地球は大きな宇宙の闇に包まれた孤独な一点にしか過ぎないのだと。

この広大な宇宙の中では、私たちは無名の存在なのだと。

(中略)

好むと好まざるとに関わらず、私たちが生きていく場所は今のところ、地球以外にはないのです。

天文学は、人間の思い上がりを知らせて、私たちを謙虚にする学問だと言われてきました。

この一枚の写真ほど、それを実感させるものはないでしょう。

私たちはもっと互いに親切になり、この小さな青い点を大切に守っていかなければなりません。

私たちの知るたった一つの故郷であるこの地球を」

宇宙開発の発展によって、私たちは地球軌道上から映された鮮やな地球の姿をいくつも眺めてきました。

この画像は、遠く離れた軌道から小さな点としてしか地球を捉えていませんが、その小さな点は驚くほど多くのことを私たちに考えさせてくれます。

【編集注 2025.05.12 12:00】
記事内容に一部誤りがあったため、修正して再送しております。

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「自分の悩みがちっぽけに思える」火星軌道から撮影した”地球と月”の姿 (2/2)のコメント

ゲスト

自分自身なんて
所詮何者でもない

喜怒哀楽
過ぎてしまえば全て過去
終わったこと

人生はただの営み

ゲスト

写真のキャプションと本文が一致してないんだけど、地球-月が正しいんだよね?

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