他の生物の声真似ができる
2018年、フランス、アンティーブの水族館で飼育されている16歳の「ウィキー」というメスのシャチが、「人間の言葉を話す」という報告がされました。
科学者が彼女に、「こんにちは」や「バイバイ」など、人間の言葉のように聞こえる発声法を教えたところ、噴気孔から似た音を出せるようになったというのです。
ウィキーがその言葉の意味を知っていたという兆候はありませんでしたが、人間の声真似をできる事実は、驚くべきことでした。
しかし、原因こそハッキリ解明されていないものの、シャチが他の生物の声真似をする事自体は広く知られています。
例えば、2011年の研究では、異なる方言を持つ他のシャチの発声を真似ることができることが判明しました。
他にも、バンドウイルカの声真似をする例も記録されていますが、シャチとイルカは近縁であるため、そこまで奇妙な報告ではないかもしれません。
一方で、アシカの声真似をしていることも記録されています。アシカはシャチの捕食対象であるため、これは何かシャチの狩りに関連している可能性があります。
シャチは非常に知能が高く、群れごとの方言を持つ、流行の遊びを作る、「おばあちゃん効果」がある、など人間社会と共通する点がいくつもあります。
それを聞いて親近感が沸いたという人も、恐ろしくなった方もいるでしょうか。
海洋生物であるシャチは、継続的な観察が難しく、良く知られている生物といえど、まだまだ解明されていない性質が数多く存在しています。
新しい研究も多いため、今後のシャチ研究の進展が楽しみですね。
すご
シャチ好き〜