花を食べるハチは約1億2000万年前の「ゴンドワナ大陸」で進化したと判明
花を食べるハチは約1億2000万年前の「ゴンドワナ大陸」で進化したと判明 / Credit: canva
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ミツバチの仲間が誕生したのは約1億2000万年前の「ゴンドワナ大陸」だった!

2023.08.02 Wednesday

2億年以上前に誕生したハチは当初、他の昆虫を狩る肉食性のグループでした。

ミツバチのような花粉を食べ蜜を蓄える「ハナバチ(花蜂)」が進化したのは、そこからさらに時を経た約7000万年前だったと考えられています。

しかしその正確な出現時期については証拠が少なく、専門家らも明確な答えは出せずにいました。

そんな中、米ワシントン州立大学(WSU)、ブラジル・サンパウロ大学(USP)の遺伝子研究により、最初のハナバチは約1億2000万年前の超大陸ゴンドワナで誕生していたことが明らかになりました。

草食のハチは予想以上に早く進化していたようです。

研究の詳細は、2023年7月27日付で科学雑誌『Current Biology』に掲載されています。

Bees evolved from ancient supercontinent, diversified faster than suspected https://news.wsu.edu/press-release/2023/07/31/bees-likely-evolved-from-ancient-supercontinent-earlier-than-suspected/ Bees likely evolved from ancient supercontinent, earlier than suspected https://phys.org/news/2023-07-bees-evolved-ancient-supercontinent-earlier.html The world’s earliest bees may have called Gondwana home https://www.popsci.com/environment/bee-evolution-gondwana/
The evolutionary history of bees in time and space https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(23)00912-0

花粉を食べるハチはどう進化した?

ハナバチ類のハキリバチ
ハナバチ類のハキリバチ / Credit: WSU – Bees evolved from ancient supercontinent, diversified faster than suspected(2023)

これまでで最も古いハチ化石は約2億2600万年前のものですが、遺伝子解析によると、約2億8100万年前にはハチの進化がすでに始まっていたことが示唆されています。

最初のハチは肉食性で、幼虫の餌のために他の虫を狩ったり、長い毒針を持つ寄生バチなどが繁栄しました。

それから1億年ほど前に花を持つ被子植物が出現したことで、花粉を食糧源とするハチが現れ始めます。

すると花は受粉を媒介してもらうために蜜を作り出し、それを求めたハチが花に集まるようになりました。

こうして花粉や蜜を食べる「ハナバチ(花蜂)」のグループが進化したと言われています。

ハナバチの種は花の進化に合わせて多様化し、これが現代の私たちにも馴染み深いミツバチやクマバチ、マルハナバチなどへ繋がっていきます。

ハナバチ類は現在、世界で7科、約2万2000種が知られています。

一方で、WSUの昆虫学者で研究主任のサイラス・ボッセルト(Silas Bossert)氏は「ハナバチの起源はかなり不明瞭で、いつどこで進化したかがよく分かっていなかった」と話します。

この謎に挑んだのが今回の研究なのです。

次ページハナバチはいつどこで誕生したのか?

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