「ブラックホールは存在しない」
2つの検出器で検知された重力波シグナルの終わり部分は「リングダウン」として知られており、これは2つのブラックホールの衝突の最終段階と一致しています。事象の地平線の存在によって、短期間のうちに完全にそのシグナルは消えてしまうのですが、もし地平線がないとしたら、この振動は完全には消えないはずです。そして代わりに、しばらく井戸の中の音で起きるような一連のエコー(反響)が生み出されると考えられます。
ルーベンカトリック大学のパブロ・ブエノ氏とパブロ・A・カノ氏は、「もしブラックホールの正体がECOだった場合、興味深いことにリングダウンは似たようなものとなるはずです。よって、この2つの天体を区別するには、エコーの存在を突き止める必要があります」と述べています。
この可能性については、理論的にいつくかのグループが調査するとともに、仮の実験的な解析をLIGOのオリジナルデータですでに行っています。しかし、判定はいまだ決定的ではないとのこと。
「LIGOやVirgoのシグナルにおけるエコーの立証が確実な証拠によってなされれば、天文物理学的なブラックホールは存在しないことになります。ただ、このエコーが存在するかどうかが分かるのは時間の問題です。結果が肯定的であれば、物理学の歴史で偉大な発見の一つとなるでしょう」
via: Phys Org/ translated & text by SENPAI
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