湿度が高い日のホットドリンクはNG!
単刀直入にいうと、湿度が低い日には体温低下にホットドリンクが有効ですが、湿度が高い日にホットドリンクを飲むのは絶対に避けなければなりません。
湿度が低くカラッとした暑さの場合は、空気中に漂う水蒸気の量が少ないため私たちの体がかいた汗は、空気中に水分を蒸発させ、体温を効果的に下げることができます。
しかし反対に、湿度が高くジメジメとした暑さの場合は、空気中にすでに水蒸気が充満しているため、水分が蒸発しにくくなり、発汗による熱発散ができなくなります。
そのため湿度が高いと人体が耐えられる温度の限界値が低くなります。
そのため、ジメジメとした暑い日にホットドリンクを飲むのは、ただ茹でダコになるリスクを高めるだけなので、絶対にやめておきましょう。
2018年の研究によると、こうした高温多湿の屋外で体温を下げるには、氷入りの冷たいドリンクを飲むのが最適だと示されています。
以上を踏まえると、ホットドリンクによる体温低下とは、カラッとした暑さに加えて、水分の蒸発を促す風がほどよく吹いている状況でなければ特に有効ではないのです。
条件が揃えば、ホットドリンクは発汗を促しその熱発散により、冷たいドリンクを飲むときよりも効率的に体温を下げられるでしょう。
日本の夏は基本的に高温多湿なため、こうしたメカニズムを理解せずに、夏の屋外で「熱いものを飲んだ方が身体が冷えるんだって」とホットドリンクを飲んでしまうと体調を崩す恐れがあります。
暑い屋外では素直に冷たいものを飲んだほうがよいでしょう。
夏にはクーラーの効いた部屋で長時間過ごすことも多くなるため、その中で冷たい物を飲み食いしていると、今度は体内の芯が冷える「夏冷え」を起こす可能性があります。
夏冷えを放置すると、全身のだるさや睡眠不足、ストレスの高まり、また内臓機能の低下によってお腹を下しやすくなったりします。
そこで冷房の効いた屋内では、ホットドリンクを選ぶ方が、体の芯を温め、かつ体温自体は適切に下げることも出来るため有効となるでしょう。
夏場にホットドリンクを飲む場合は、状況をよく見て選択しましょう。ホットドリンクは体温を下げるという情報だけを鵜呑みにして、暑い屋外で我慢して熱い飲み物を飲むような行為は避けないと危険です。