環境に優しいはずなのに…
2019年以降、コンビニやコーヒーチェーン店では「環境に優しい」という理由から、徐々に紙ストローが採用されてきました。
紙ストローは湿気を吸収しやすく、口当たりがよくないため、味や香りが悪くなると不評の声が多く上がっていましたが、環境のことを考えると、なかなか異論を唱えづらいものだったのかもしれません。
しかし、今回の研究で、紙ストローにはPFAS(ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル化合物)という有害物質がプラスチック製のストローよりも多く含まれていることが明らかになりました。
一体PFASとはどのような物質で、どのような影響を与えるのでしょうか。
PFASとは
PFAS(ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル化合物)は、アルキル鎖に複数のフッ素原子が結合した有機フッ素化合物の総称で、私たちの生活の中では、アウトドア用の衣類からテフロン加工の鍋まで、防水、耐熱、そして汚れに強いさまざまな日用品に用いられています。
しかし、この物質は人間や野生生物、さらには環境に対して潜在的なリスクを持っているのです。
PFASは非常に分解しにくく、数千年にも渡って残留する可能性があることから「永遠の化学物質」とも呼ばれています。
PFASはワクチンの効果への影響、新生児の体重低下、甲状腺の疾患、コレステロールの増加、肝機能障害、腎臓や精巣のがんなど、さまざまな健康問題との関連が指摘されています。