慢性的な貨幣不足に陥っていた江戸時代
江戸時代において、幕府は1601年の「金銀の制」と1636年の「銭定の高札」により、金・銀・銭の3貨(正貨)の鋳造権を独占しました。
しかし慢性的な通貨不足であり、日本全国で不都合をきたすようになったのです。
このため、諸藩は自領内の通貨不足を解消するため、幕府の許可を得て藩札を発行する動きを始めました。
また一部の遠隔地の藩では許可を得ずに独自に発行するケースも見られました。
こうして江戸幕府成立後数十年で、貨幣制度は多様化し、地域ごとに異なる通貨が存在する時代となったのです。