52℃の熱湯でも茹で上がらずに生存できる「新種のヨコエビ」を発見!
52℃の熱湯でも茹で上がらずに生存できる「新種のヨコエビ」を発見! / Credit: 広島大学 – ペルー北部の温泉から新種ヨコエビ発見, Hiroshima University – In an ancient hot spring haunt of Inca rulers, scientists discover a new freshwater shrimp species(2023)
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52℃の熱湯でも茹で上がらない温泉に住む「新種のヨコエビ」を発見!

2023.11.22 Wednesday

南米ペルーにある「インカの温泉」から新種のヨコエビが発見されました。

「ヒアレラ・ヤシュマラ(学名:Hyalella yashmara)」と命名された本種は、水温19.8℃~52.1℃まで生存可能であることが判明しています。

研究を行った広島大学とペルー国立カハマルカ大学(UNC)によると、これはヨコエビが生存できる水温の世界最高記録とのことです。

研究の詳細は、2023年5月3日付で科学雑誌『Invertebrate Systematics』に掲載されています。

ペルー北部の温泉から新種ヨコエビ発見 https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/80248 In an ancient hot spring haunt of Inca rulers, scientists discover a new freshwater shrimp species https://www.hiroshima-u.ac.jp/en/news/79486
Description of a new thermal species of the genus Hyalella from Peru with molecular phylogeny of the family Hyalellidae (Crustacea, Amphipoda) https://www.publish.csiro.au/IS/IS22060

現地では「皇帝のエビ」の愛称で知られていた

インカの温泉
インカの温泉 / Credit: Hiroshima University – In an ancient hot spring haunt of Inca rulers, scientists discover a new freshwater shrimp species(2023)

ペルー北部にある「インカの温泉(バーニョス・デル・インカ)」は、インカ帝国最後の皇帝アタワルパが愛した名湯として有名です。

一説によると、アタワルパは侵略してきたスペイン人に囚われる直前にもこの温泉に浸かっていたと言われています。

さらにインカの温泉には古くからヨコエビが生息していることが知られていました。

現地では「皇帝のエビ(Emperor’s shrimp)」の愛称で親しまれ、このヨコエビを描いた切手まで販売されています。

「皇帝のエビ」が描かれた現地の切手
「皇帝のエビ」が描かれた現地の切手 / Credit: 広島大学 – ペルー北部の温泉から新種ヨコエビ発見(2023)

ヨコエビは名前にもあるようにエビにそっくりな生き物ですが、正確にはエビよりもダンゴムシやミジンコに近い甲殻類の一種です。

体を横に倒して移動することから「ヨコエビ」と呼ばれ、世界中の海や湖、山などに広く生息しています。

その一方で、インカの温泉に住むヨコエビは種名が不明のままであり、何者なのかよく分かっていませんでした。

そこで広島大学とペルー国立カハマルカ大学は2021年から「皇帝のエビ」の共同調査を始めました。

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