タネも仕掛けもありません。
今回ご紹介するのは、数珠つなぎのビーズが重力に反して「噴水」のように上昇する不思議な現象です。
百聞は一見にしかずというわけで、まずは下の動画をご覧ください。
落としただけで、みるみる舞い上がります。 一体何がどうなっているのでしょうか。
このビーズは、ビーズ同士が金属製の糸のようなものでつながっており、通称「ニュートンビーズ」と呼ばれているもの。お風呂の栓につながっていたり、キーホルダーの取り付け具として使われていたりするボールチェーンのようなアレです。
では、この摩訶不思議な動きの正体は一体何なのでしょうか。
ニュートンビーズの鍵は「遠心力」!
一見簡単そうですが、実はこのニュートンビーズの原理を細かく説明するためには難しい数式を引っ張り出さなければなりません。詳細な解説は他にお任せするとして、ここでは少し直感的に、ニュートンビーズに起こっている現象を説明します。
まず、ビーズに働く遠心力を考えてみましょう。自動車のカーブで例えると、急に180度旋回するのは不可能なので、車は円を描くようにカーブしつつ向きを変えます。このときあなたが車の中にいたら、遠心力で体が大きくカーブの外側に傾くでしょう。これをビーズの場合に置き換えてみます。
ビーズが落とされたとき、上昇する運動の方向を変えようとする重力や、張力などの力が働いています。また、ビーズも硬い球体が数珠つなぎになっているので、急に運動の向きを変えることはできません。そしてビーズが上昇したあと下降に移ると、遠心力が働きますが、そのとき遠心力の働く向きは「重力とは逆の上向き」になります。よって、ビーズが勝手に上昇しているように見えるというわけです。
気になるニュートンビーンズのお値段はというと、20〜30メートルのもので数千円。通常の「ボールチェーン」でも長さが十分なら可能です。実演自体はとても簡単なので、興味を持った方はぜひ試してみてくださいね。
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