「はしか童子退治図」のはしか絵、中央の発疹の出ている大男がはしか童子である
「はしか童子退治図」のはしか絵、中央の発疹の出ている大男がはしか童子である / credit:浮世絵検索
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コロナ禍とよく似ていた?江戸時代の麻疹パンデミックについて (3/3)

2024.04.28 Sunday

前ページ絵を描いて回復を祈っていた江戸時代

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営業自粛も便乗商法もあった江戸時代

江戸時代の麻疹パンデミック時もステイホームが呼びかけられていた
江戸時代の麻疹パンデミック時もステイホームが呼びかけられていた / credit:いらすとや

余談ですが、江戸幕府は麻疹の流行を抑えるために一部の施設を営業禁止にしたりしており、先述した居酒屋屋形船屋だけでなく、遊郭風呂屋などといった施設が営業禁止になりました。

また飲食店の多くも営業禁止になっており、麻疹流行時は江戸の社会を支えていた娯楽のほとんどがなくなったのです。

言うまでもなく江戸時代にはインターネットもゲーム機もないので、現代の新型コロナウイルスパンデミックの緊急事態宣言の時以上に庶民の生活が大変なものであったのは語るまでもないでしょう。

また先述したはしか絵以外にも麻疹除けのものはあり、神社仏閣は麻疹に効くお札を、医師や薬屋は麻疹の治療薬を売り始めました

さらに麻疹によいとされている食べ物の噂も広がり、中にはそういった食べ物を投機対象にして一儲けをしようとする人さえいたのです。

2020年の新型コロナウイルスのパンデミックの初期にはマスクの転売が行われたり、「○○という薬は効果がある」といった真偽のあやふやな情報がインターネット上に流れたりしていました。

江戸時代の麻疹流行時にも似たようなことが行われていたことを見ると、人間の本質は案外江戸時代とあまり変わっていないのかもしれません。

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