出席番号が遅い生徒はテストで低く採点される
アメリカでも、日本と同様に、出席番号順にテストが採点されていきます。
そこで今回、研究チームは、ミシガン大学の成績記録3000万件以上を調査し、評価と採点の順番がどのように関連しているのか調べました。
それらには、2014年秋から2022年夏までのすべての学生・課題のデータが含まれています。
![出席番号が遅い生徒は低く採点される傾向に](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/8710a843a8c264565d36b24557191a90-900x600.jpg)
分析の結果、出席番号順の採点では、姓が「A」「B」「C」「D」「E」で始まる生徒は、ランダムに採点された場合と比較して、100点満点中、0.3点高い評価を受けると分かりました。
また、姓が「V」「W」「X」「Y」「Z」で始まる生徒は、ランダムに採点された場合と比較して、100点満点中、0.3点低い評価を受けていました。
一方で、分析の元になった膨大なデータの中には、出席番号順(アルファベット順)の逆から、採点しているケースが約5%ありました。
そのケースでは、研究チームの予想通り、成績格差が逆転しました。
「Y」や「Z」で始まる名前の生徒は高く採点されており、「A」や「B」で始まる名前の生徒は低く採点されていたのです。
![採点の順番が早い人と遅い人では、採点に差が生じる](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/4d44df06541be138f830b51aa40d51a8-900x600.jpg)
このことは、採点の順番が後になればなるほど低く採点されることを意味しています。
そしてほとんどのケースでは、出席番号順に採点がなされていくので、「出席番号が遅い生徒は不利」だということになりますね。
0.6点差と言われるとそこまで大きくないように思えるかもしれませんが、傾向としてはっきり現れており、これは採点者によっては影響が大きく出る可能性もあります。
学校の成績は、その後のキャリアに影響を与える可能性を考えると、無視すべき傾向ではないでしょう。
では、一体どうしてこのような「順番による成績格差」が生じるのでしょうか。