カプセルを飲み込んで検査する「PillBot」
アメリカの企業「Endiatx」が開発した「PillBot」は、私たちを内視鏡検査の苦痛から解放してくれるはずです。
PillBotはマルチビタミンほどの大きさのカプセル型の内視鏡ロボットです。
使用方法は非常にシンプルです。
まず、検査当日の朝は食事を控え、水を多めに飲まなければいけません。
その後、検査段階になると、PillBotと水を一緒に飲み込みます。
飲み込まれたPillBotは、胃の中で自動的に移動し、約10分で検査を完了します。
PillBotが胃の中を泳いでいる間、内蔵されたカメラが高解像度の画像を提供。医師は即座に異常を発見できるというわけです。
しかも、このカプセルは無線操作が可能であり、外部からの指示で移動や撮影を行うことができます。
検査後は、カプセルが自然に体外へ排出されるようになっています。
このPillBotでは、従来の内視鏡検査と同じく、リアルタイムでの診断が可能で、迅速に結果が得られます。
その上で、従来の内視鏡検査に伴う痛みや不快感がなく、費用も抑えられるのだから、まさに「優れもの」といえます。
ちなみに、過去には他の企業も、「カプセル内視鏡」として、似たようなアイテムを開発してきました。
しかし、「PillBot」のように、自由な操作やリアルタイムでの診断が可能なカプセル内視鏡は少なく、これらの点がPillBotの利点だと言えます。
現在、この「PillBot」は臨床試験の段階に入っており、FDAの承認を目指しています。
FDAの承認が得られるなら、医療現場で広く使用されることでしょう。
さらにEndiatx社は、PillBotの技術を発展させ、消化管の他の部分にも適用できるよう研究を進めています。
将来的には、様々な臓器の検査や、癌の早期発見など、多岐にわたる診断ツールとして活用が期待されています。