顕微鏡画像コンテスト「When Art Meets Science」
センテナリー研究所は、オーストラリアのシドニーに拠点を置く世界有数の独立医療研究機関です。
彼らが研究している分野は、がん、老化、炎症、希少疾患などです。
そのような研究の中で、研究者たちは生物の細胞の顕微鏡画像の一部が驚くほど美しいことに気づき、これらを用いて顕微鏡画像のコンテストを開くことにしました。
この顕微鏡画像コンテスト「When Art Meets Science(芸術と科学が出会うとき)」は、2009年に始まって以来、毎年開催されてきました。
そして最近、2024年の受賞作品が公開されました。
まずは、賞を逃したものの、驚くほど美しい作品をいくつか御覧ください。
A Bridge Between Worlds
この作品は、Bobby Boumelhem氏の「A Bridge Between Worlds」です。
これは健康なマウスの多能性幹細胞の画像です。
多能性幹細胞とは、ほぼ無限に増やすことができ、体のあらゆる細胞に変化できる性質をもつ細胞のことです
研究では、マウスの多能性幹細胞から脳の細胞「ニューロン」を作成しようとしました。
その際、研究者は神経細胞がどのように発達するかに注目しました。
※作品は、得られた顕微鏡画像をコピーし、片方を反転させて並べたものです。
The Glowing Fishes
この作品は、Christelle Tshamala氏の「The Glowing Fishes」です。
これはゼブラフィッシュを用いた脂肪肝の実験画像です。
脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓に蓄積する病気です。
実験では、ゼブラフィッシュ(脊椎動物のモデル生物としてよく用いられる)の脂肪肝にナノ粒子を付着させ、脂肪レベルを追跡できるようにしています。
画像の輝きのレベルは、脂肪肝が慢性化する前に治療できるかどうかを研究者たちに示すものです。
※画像は編集・加工されていません。
Tiny but Mighty
この作品は、Bobby Boumelhem氏の「Tiny but Mighty」です。
これは健康なマウスの副腎の画像です。
副腎は、肝臓の上に位置する小さな臓器であり、全身にホルモンを放出する役割を担っています。
研究では、副腎の各部位で脂肪のレベルが異なるかどうかを調べようとしました。
脂肪をマゼンダと青で染色することで、脂肪が副腎の機能にどのような影響を及ぼすのか理解できるようにしています。
※編集・加工はされていません。
ここまでで、魅力的な3つの顕微鏡画像を紹介してきました。
次項では、気になる優勝作品をご紹介します。