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「意識不明の勘違い」調査したら4人に1人は体が動かないだけで意識はあった!

2024.08.21 Wednesday

病床での呼びかけはしっかり届いているかもしれません。

このほど、米コロンビア大学アービング医療センター(CUIMC)らの研究チームは、重度の脳損傷で意識不明に陥った患者に「手を開いたり閉じたりして」と呼びかけ、その脳活動を測定。

その結果、4人に1人が呼びかけに反応した脳信号を示し、意識が持続していることが確認されたのです。

この発見は昏睡状態や植物状態に陥った患者の医療ケアに大きな変化をもたらすと期待されています。

研究の詳細は2024年8月14日付で医学雑誌『The New England Journal of Medicine』に掲載されました。

 

Hidden Consciousness Detected in 25% of Unresponsive Patients Tested https://www.sciencealert.com/hidden-consciousness-detected-in-25-of-unresponsive-patients-tested One in Four Brain-Injured Unresponsive Patients Show Signs of Hidden Consciousness https://www.cuimc.columbia.edu/news/one-four-brain-injured-unresponsive-patients-shows-signs-hidden-consciousness
Cognitive Motor Dissociation in Disorders of Consciousness https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2400645

意識はあるけど体は動かない「CMD」とは?

交通事故や転落、転倒、あるいは血管障害や脳腫瘍などで脳を損傷すると、意識不明の重体に陥ることがあります。

こうなると患者は医師や家族の呼びかけも聞こえず、まったく反応もできません。

この状態では声をかけ続けても本人には届かないのではないかと思うでしょう。

しかしこれまでの研究で、意識不明の昏睡患者に呼びかけを行い、そのときの脳活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)脳波(EEG)で測定すると、稀に呼びかけに反応する脳信号が得られるケースがありました。

この状態を専門家は認知と運動の解離(cognitive motor dissociation:CMD)」と呼んでいます。

認知と運動の解離(以下、CMDと表記)とはその名の通り、認知能力と運動能力の結びつきが切断されている状態を指します。

つまり、外部からの呼びかけは聞こえていて、頭でも理解できているものの、それに応答して、体で表現する運動能力は沈黙しているということです。

昏睡状態にあるけど意識がある「CMD」
昏睡状態にあるけど意識がある「CMD」 / Credit: canva

イメージとしてCMDは「閉じ込め症候群(locked-in syndrome)」に近いと考えられます。

閉じ込め症候群の患者は、意識はあるものの、脳の機能障害により眼球運動とまばたき以外の意思表示ができない状態にあります。

意識や思考は鮮明でも、それが体の中に閉じ込められているように見えるのです。(ただCMDの場合は閉じ込め症候群ほど鮮明な意識や思考はないと考えられています)

これまでのところ、CMDについての体系的な調査はなされておらず、意識不明の患者においてどれくらいの割合で発生しているかも知られていませんでした。

そこで研究チームは今回、CMD研究における過去最大規模の調査を行いました。

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