ゲロマズカエルを与えて、ワニが毒ガエルを食べないよう教える
ゲロマズカエルを与えて、ワニが毒ガエルを食べないよう教える / Credit:Canva,ナゾロジー編集
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トンデモない保護活動「ゲロマズ」カエルを与えて「猛毒カエルを食べて死ぬワニ」を救う

2024.09.01 Sunday

不味い料理を食べると、その料理をもう一度頼もうとは思いません。

また、牡蠣に当たって苦しんだ人は、「もう二度と牡蠣は食べない!」なんて感じるかもしれません。

ワニも、私たちと同じように感じているようで、この傾向を使って保護対象のワニを救おうと考える研究者が登場しました。

オーストラリアのマッコーリー大学(Macquarie University)に所属するジョージア・ワードフィア氏ら研究チームは、食べると吐き気を催すよう細工されたカエルを使ってオーストラリアワニを学習させ、彼らが猛毒なオオヒキガエルを食べないようにすることに成功したというのです。

これにより、オーストラリアワニの死亡を95%削減できたというのだから驚きです。

研究の詳細は、2024年8月14日付の学術誌『Proceedings of the Royal Society B Biological Sciences』に掲載されました。

Crook croc Cuisine: Could a bad dinner save a species? https://www.eurekalert.org/news-releases/1054399
Taste aversion training can educate free-ranging crocodiles against toxic invaders https://doi.org/10.1098/rspb.2023.2507

有毒な「オオヒキガエル」を食べて死亡するオーストラリアワニたち

オーストラリアワニ
オーストラリアワニ / Credit:Wikipedia Commons_オーストラリアワニ

オーストラリアに生息するオーストラリアワニ(学名:Crocodylus johnsoni)は、保護対象となっています。

オーストラリアワニの皮が革製品に利用されるため、乱獲が生じ、個体数が減少しているのです。

そんな希少なワニをさらに追い詰めているのが、外来種であるオオヒキガエル(学名:Rhinella marina)です。

オオヒキガエルは、1930年代に南米から輸入されて以来、オーストラリア北部全域で広がりました。

オーストラリアに生息する動物たちにとってカエルは大好物な食料ですが、問題はオオヒキガエルのにあります。

オオヒキガエルの肩には大きな分泌腺があり、そこにはアルカロイドを主成分とする非常に強い毒が含まれています。

人間では、目に入るだけで失明したり、大量摂取で心臓麻痺を起こしたりするほど強力なものです。

そして、この恐ろしい影響はオーストラリアの動物たちにとっても同様であり、イグアナやヘビ、オーストラリアワニたちは、オオヒキガエルを食べることで死んでしまいます

オオヒキガエルは外部から持ち込まれた生物であるため、現地に生息するそれら動物たちはオオヒキガエルに対する生来の防御力を有しておらず、軒並みやられてしまっているのです。

実際、研究者たちは、2008年にオオヒキガエルが持ち込まれた直後のビクトリア川沿いの領域で、ワニの生育密度が77%も減少したことを発見しました。

このような問題は、希少なワニを追い詰めるだけでなく、生態系全体に大きな影響を及ぼします。

そこでワードフィア氏ら研究チームは、「不味いカエル」を使ったある方法で、追い詰められたオーストラリアワニたちを救うことにしました。

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