生命探索の目を「地球」に向けてみた
今回の調査は、現在進められている「木星氷衛星探査計画」の中で行われました。
木星氷衛星探査計画とは、木星の周りを公転する氷衛星「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」を観測対象としたESA主導の国際ミッションです(日本のJAXAも参加)。
これらの衛星は外から見ると氷の塊にしか見えませんが、その地表下には水や海が存在する可能性があり、それに伴って”生命の痕跡”が見つかる可能性が期待されています。
そこで活躍が期待されるのが、木星氷衛星探査機「JUICE(ジュース)」です。
JUICEはすでに2023年4月に宇宙に向けて打ち上げられており、2024年8月に月と地球をフライバイ(近くを通過すること)し、今後、太陽系をぐるぐると回りながら、2031年7月に木星系へと到着する予定となっています。
こちらがJUICEの地球〜木星までの道のりを示したタイムスケジュールです。
(黄色がJUICEの通過するルート)
到着後はカリスト・エウロパ・ガニメデの順に数年かけて探査を行い、2035年に全体のミッションを終了する予定です。
その探査の前にESAの研究チームは、JUICEに搭載した探査機器が正しく機能するかどうかのテストも兼ねて、地球に向けた観測ミッションを行うことにしました。
これでもし地球から”生命の痕跡”が見つからなければ、JUICEは木星系に行っても正しい仕事ができないことを意味します。
果たして、JUICEに生命を見つける能力はあったのでしょうか?