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「何話そうとしたっけ?」今やろうとしたことを急にド忘れするのはなぜ? (2/3)

2024.09.22 Sunday

前ページ「瞬間的なド忘れ」に関わる記憶のタイプとは?

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今やろうとしたことをド忘れする仕組みとは?

その理由について米マサチューセッツ工科大学(MIT)の神経科学者であるアール・ミラー(Earl Miller)氏は、短期記憶にまつわる2つの特徴をもとに説明しています。

まず第一に「短期記憶は保持できる容量が限られている」ことです。

ミラー氏によると、これまでの研究で人が一度に保持できる短期記憶は4〜7個だけであることが示されています。

さらに私たちのは4〜7個の短期記憶をすべて同時に意識できるわけではなく、一つの記憶からもう一つ別の記憶へと飛び回るように意識しているといいます。

その中で何とか保持していた短期記憶の一つが意識から抜け落ち、忘れてしまうことがあるのです。

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Credit: canva

そして第二に「脳は新しい情報を記憶するスペースを確保するため、重要でない短期記憶はすぐに消してしまう」ことが要因としてあります。

つまり先ほど話したように、脳がいくつかの短期記憶に対して、ジャグリングするかのように意識を向け変えていると、その過程で重要でないものはすぐに消去されてしまう可能性があるのです。

ミラー氏は「もし脳の注意力が短期記憶のうちの一つに集中したり、どこか別の物事に逸れたりすると、脳は先ほどまで考えていたことを見失ってしまう」と説明。

「まさに(短期記憶という)ボールの一つを落としてしまうから、今さっきまで取り組もうとしていた物事を突如として忘れてしまうのです」と話します。

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脳は複数の「短期記憶」に対してジャグリングするように順番に意識を向ける / Credit: canva

そしてこうした瞬間的なド忘れが起きるのは大抵、マルチタスクをしようとしたとき別の出来事が急に意識に横入りしてきたときです。

例えば、iPodで音楽を聴きながら料理をしているときなど。

別のアーティストのアルバムに変えようと思ってiPodをいじり始めると、「あれ、塩入れたっけ?」と料理をどこまで進めていたか失念してしまうのです。

また自分からはマルチタスクをしようとしない場合でも、外部から意識に横やりが入ることがあります。

例えば、洗濯物を取りに行こうとしてソファから立ち上がったときに、友人からメールが来て、そちらに意識が向いてしまうと、「洗濯物を取りにいく」という短期記憶が意識からスリ落ちてしまうことがあるのです。

では「瞬間的なド忘れ」に対処するにはどうすればいいのでしょうか?

次ページ「瞬間的なド忘れ」を克服するためのヒント

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