どうやって地球に「リング」ができたのか?
チームの提示した仮説はこうです。
まず、オルドビス紀の地球に向けて、比較的大きめの小惑星が飛来してきました。
小惑星は地球と衝突するコースにはありませんでしたが、地球が放つ重力圏に接触するには十分に近い場所を通りました。
そして小惑星は地球の重力圏につかまり、軌道運動を始めます。
次第に地球の重力に引き寄せられた小惑星は「ロッシュ限界」という境界線に達しました(下図を参照)。
ロッシュ限界とは、ある天体が重力によって破壊されずに他の天体に接近できる限界の距離のことを指します。
つまり、ロッシュ限界に達してしまった小惑星は、地球の重力によって粉々に引き裂かれてしまったのです。
その後、散り散りになった小惑星の断片は、地球の重力圏に引き寄せられたまま、安定した軌道運動を再開させます。
その結果、小惑星から生まれた無数の断片が地球の赤道外縁を覆うようなリングを形成したのです。
あとは皆さんも容易に想像がつくでしょう。
リングとなって公転する小さな断片が地球の重力に引っ張られ、燃え尽きずに大気圏を突破できたものが、リング直下の赤道付近に次々と落下したわけです。
おそらく、クレーターとして見つかっていないだけで、オルドビス紀当時に海だった赤道付近の場所にもたくさん隕石が落下したと見られます。
さらにチームはこれと別に、”地球リング仮説”を支持する別角度の証拠も見出しました。