なぜ『真珠の耳飾りの少女』から目が離せなくなるのか?
『真珠の耳飾りの少女』が制作されたのは1665年もしくは1666年とされています。
フェルメールが33〜34歳頃の作であり、画家としての技術が成熟しつつある時期でした。
構図は少女の上半身だけを描いた実にシンプルなもので、かすかな笑みを湛えているように見えることから「北のモナ・リザ」「オランダのモナ・リザ」などと称されています。
フェルメールは1675年に43歳の若さで破産同然で亡くなり、彼が遺した作品も競売にかけられるなどして方々に散逸しました。
『真珠の耳飾りの少女』も他の絵と同じ運命をたどり、色々な所有者の元を転々としています。
しかし1881年に「フェルメールの希少な作品が海外に流れるのを防ごう」との働きかけがあり、マウリッツハイス美術館に寄贈され、今日に至るまで同館に所蔵されることとなりました。
他方で、フェルメールがここに描いた少女が誰なのかは今もわかっていません。
彼の妻や娘のマーリア、昔の恋人、あるいは全くの想像で描かれた人物など、さまざまな説があります。
ただ少女の正体が誰にせよ、彼女が今も世界中の人々の目をとらえて離さない魅力を秘めていることは確かです。
そこでマウリッツハイス美術館は今回、脳科学者と協力し、なぜ私たちが『真珠の耳飾りの少女』に強く魅了されるのかを脳活動から解き明かすことにしました。