74歳で新たな恋人と交尾し、出産!
ウィズダム(Wisdom)は北太平洋の北西ハワイ諸島にあるミッドウェー島の国立野生生物保護区に暮らすメスのアホウドリです。
ミッドウェー島には繁殖シーズンに入ると毎年300万羽のアホウドリが一堂に会します。
そこでウィズダムが最初に発見されたのは今から68年前の1956年のことでした。
アホウドリのメスは5歳を超えるまでは産卵することができません。
その当時、ウィズダムが産卵をしたことが確認されていることから、少なく見積もっても2024年時点で74歳に達していると考えられるのです。
これは確認されている現生鳥類の中で世界最高齢と見られます。
ウィズダムの年齢はアホウドリの中でも異例であり、生物学者のジョン・プリスナー (Jon Plissner)氏は最近、BBCラジオにて「ウィズダムの年齢に近いアホウドリは他に知られておらず、彼女の次に高齢のアホウドリでも45歳に過ぎない」と話しています。
そんなウィズダムにも長年連れ添った夫がいました。
彼の名前は「アケアカマイ(Akeakamai)」というオスで、研究者によると、彼らは60年近くにわたってパートナーとなっていたといいます。
彼らはアホウドリの習性に従い、いくつになっても1年ごとに再会を果たしては交尾と産卵を続けていました。
ウィズダムはこれまでに、アケアカマイを含めて少なくとも3羽のオスとつがいを形成し、50〜60個の卵を産んで、そのうちの30個は一人前のアホウドリとして成鳥しています。
つまり、彼女はとんでもない数の子供たちがいるビッグマムなわけです。
ところが2021年を最後に、長年のパートナーであるアケアカマイの姿がパッタリと見られなくなりました。
これはおそらく寿命のせいか、アケアカマイが営巣地に戻ってこれず、死んでしまった可能性が高いです。
ウィズダムが最後に産卵したのは2021年のことであり、アケアカマイもいなくなったことから、これで彼女の種としての仕事は終わったかに見えました。
しかしFWSの研究者たちは今年11月になって驚きの発見をします。
なんと御年74歳のウィズダムが新しい恋人を作っており、彼と交尾をして、新たに卵を産んでいたのです。
新しい恋人と一緒に卵を温めるウィズダムの様子がこちら。
※ 音量にご注意ください。
SHE DID IT AGAIN!
Wisdom, the world’s oldest known wild bird, is back with a new partner and just laid yet another egg.
At an approximate age of 74, the queen of seabirds returned to Midway Atoll National Wildlife Refuge last week and began interacting with a male. pic.twitter.com/6qomvs0rKL
— USFWS Pacific (@USFWSPacific) December 3, 2024
恋をするのに年齢は関係ありませんが、74歳にして普通に卵まで産んでしまうウィズダムは、やはり驚異のバイタリティーの持ち主と言わざるを得ないでしょう。
ウィズダムの産んだ卵はまだ孵化していませんが、営巣地に産み付けられた卵のうち、毎年70〜80%は無事に孵化するので、ウィズダムの卵も大いに期待ができます。
さて、ウィズダムは最高齢での出産記録をどこまで伸ばしてくれるのか?
今後も注目が集まります。