求愛ダンスで「一夫一妻」のペアを作る
アホウドリ(学名:Phoebastria albatrus)はあらゆる鳥類の中でも非常にユニークな種です。
海鳥として知られるアホウドリは主に北太平洋の島々に分布し、夏場はベーリング海やアラスカ湾の辺りまで北上し、冬場になると繁殖のために南方へ渡りをします。
成鳥のサイズは全長約100センチ、体重は5キロ前後に達し、空を飛べる現生鳥類の中では最大級です。
またアホウドリは私たちと同じように一夫一妻制を採用しており、お互いのパートナーが生きている限り、毎年交尾をして卵を産みます。
アホウドリはパートナーを見つけるときの求愛ダンスの面白さで有名です。
野生生物の求愛というと、その多くがオスからの猛烈なアピールの形を取りますが、アホウドリはオスとメスが一緒になって激しいダンスを踊ります。
実際の様子がこちら。
このように激しいヘッドバンギングをして、お互いにセッションを繰り返します。
彼らの求愛ダンスは鳴き声も大切なので、よかったらこちらの動画もご覧ください。
(※ 音量注意)
アホウドリの夫婦は基本的に別々の場所で暮らしていますが、繁殖シーズンになるとまた同じ場所に戻ってきて1年ぶりの再会を果たします。
みんな同じような見た目をしているのに、ちゃんとパートナーを見分けられるのはすごいですね。
そして10〜11月に1個の卵を産み、オスメス交代で卵を温め(抱卵)、おおよそ64〜65日の抱卵期間が過ぎると、翌年の1〜2月に孵化します。
ヒナは生後10カ月ほどで空を飛べるようになり、故郷を巣立って海へと飛び立ちます。
若きアホウドリたちが性成熟に達するのは5年〜10年ほどです。
つがいとなったアホウドリのペアは時に離婚をして新たなパートナーを見つけることもありますが、基本的にはどちらかが亡くなるまで連れ添います。
しかし、その中でも波乱万丈の生涯を送ってきたのが、今回の主役である「ウィズダム」でした。