外科医がトップだったが「悪態をつく回数」も断トツ
ここでは先の画像に示したように、先端が輪っか状になっている棒を金属製のコースに通してゴールを目指すタイプを使いました。
内容はごくシンプルで、棒がコースに触れてブザーが鳴ったらスタートからやり直し、ゴールできるまでのタイムを競います。
その結果、イライラ棒が最もうまいのは事前の予想通り、外科医であることがわかりました。
5分以内にゲームをクリアできた率は、内科医で57%、看護師で54%、非臨床スタッフで51%だったのに対し、外科医では84%だったのです。
また成功した人の平均タイムを見ると、内科医は120秒、看護師は135秒、非臨床スタッフは161秒だったのに対し、外科医は89秒となっていました。
これは研究者の仮説通り、高度で繊細な技術を要する外科手術によって器用さが鍛えられたことが一番の要因だと見られています。
その一方で、奇妙な結果も見られました。
研究者たちはゲーム中に「悪態をつく回数」も密かにカウントしていたのですが、悪態をついた人の割合を比べてみると、内科医は25%、非臨床スタッフは23%、看護師は30%に対し、外科医は50%でした。
悪態とはゲームに対して「クソッ!」とか「このヤロゥ」のような攻撃的な言葉遣いを指します。
ただこれに関して研究者らは、過去の調査から「外科医が悪態をつくのは強度のストレス環境(つまり外科手術中)にさらされている中でも高い技術と集中力を維持するための対処法である可能性が示されている」と説明しています。
要するにこれは外科医の性格が悪いのではなく、イライラ棒の難所を切り抜けるために集中力を高めているのではないかと考えられます。
このように医療界でのイライラ棒選手権は外科医が1位でしたが、世の中のあらゆる職業でも検証し、外科医よりもイライラ棒がうまい職種を探してみたいものですね。