本記事では頑張り過ぎなくても効果が得られる筋トレの方法を考察
本記事では頑張り過ぎなくても効果が得られる筋トレの方法を考察 / Credit: Unsplash
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「追い込みすぎは効果を下げる」ジム通いを続けるための【適度な】筋トレとは?

2025.01.14 07:00:10 Tuesday

どんな運動でもやり始めた直後は、伸びしろの宝庫で、体に何かしらの負荷を掛ければ相応の効果が得られることは、トレーニング経験のある多く人がイメージできると思います。

その一方、ある程度トレーニングを続けていると、さらなる効果を得るには追い込んだり、たくさんの量をこなしたりしないといけないのでは?という不安も生まれます。

ただ、最近の研究を見てみると、過度に頑張っても効果が高まるわけでもないようです。

いったい適度な負荷の境目はどこにあるのでしょうか?

本記事では、筋トレの効果を得続けるために役立つ視点を紹介します。

Is Training to Failure Better For Hypertrophy? https://barbend.com/is-training-to-failure-better-for-hypertrophy/
Similar muscle hypertrophy following eight weeks of resistance training to momentary muscular failure or with repetitions-in-reserve in resistance-trained individuals https://doi.org/10.1080/02640414.2024.2321021 Training Volume Increases Or Maintenance Based On Previous Volume: The Effects On Muscular Adaptations In Trained Males https://doi.org/10.1152/japplphysiol.00476.2024

筋肥大のためにも毎セット追い込む必要はない

以前の記事で取り上げた通り、近年の研究によって、筋トレの目的が出来るだけ筋肉を大きくすることにあるのか(筋肥大)、それとも筋力を最大限に高めたいのか(筋力向上)によって、追い込む目安が変わります。

筋トレのセットは最後まで追い込んだ方が良いのか?

このうち、筋肥大については、Repetition in Reserve(RIR)と呼ばれる、そのセットにおいて「あと何回繰り返せるのか」という追い込み度合いを表す概念を用いてメタ分析が行われた結果が参考になります。

その結果とは、RIRと筋肥大効果との間に線形関係が認められ、追い込むほど筋肥大効果が高まるというものです。

一方、フィットネス業界で10年以上の活動経験を持つマーティン・レファロ博士の研究グループは、これまでの研究にはRIRを推定する際に不確実性があるなどの問題点を指摘し、新たに実施したトレーニング実験の結果を発表しました。

その実験とは、3年以上の筋トレ経験を有する筋トレ愛好者たちを対象に、右脚と左脚のどちらか片方を毎セット出来なくなるまで追い込ませました一方、もう片方の脚では、あと1回もしくは2回余力を残して終了する(RIRが1~2)という興味深い内容でした。

トレーニングの期間は8週間、頻度は週2回、種目はレッグプレスとレッグエクステンションです。

結果として、意外なことに、大腿四頭筋(太ももの前面)の筋肉の厚さは、どちらも同じくらい増加しました。

つまり、毎セット1〜2回余裕を持たせて終わったとしても、出来なくなるまで追い込んだのと同じくらい筋肉が大きくなったのです。

「あと1~2回出来そう」と思ったタイミングでやめても筋肉は十分成長する
「あと1~2回出来そう」と思ったタイミングでやめても筋肉は十分成長する / Credit: 写真AC

ではなぜ、毎セット最後まで頑張ったのに、トレーニング効果が高まらなかったのでしょうか?

この理由の1つとして、最初の1セットから頑張り過ぎたことで、筋肉や神経が早くに疲れてしまい、2セット目以降のトレーニングの質が落ちたことが影響している可能性があります。

実際、この実験においても、セットが進むにつれての反復回数の減少は、毎セットできなくなるまで追い込んだ脚の方が著しくなっていました。

したがって、仮に追い込むことが好きな人であっても、序盤のセットでは、あえて余裕を残して終わり、終盤のセットまで余力を残した方が、結果としてトレーニング全体の負荷を高められるのかもしれません。

次のページでは、週当たりのセット数という観点から、頑張り過ぎなくても効果が得られることを説明していきます。

次ページある程度のセット数を確保しておけば、維持するだけでも効果は得られる

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