お互いの効果を邪魔する干渉効果とは?
筋力と持久力を高めることは、どちらも健康に役立ちますが、筋力アップには筋トレ、持久力向上には有酸素運動と、それぞれ適したエクササイズがあります。
この際、大抵の人は、有酸素をして、そのまま筋トレを実施するように、1度のトレーニングで両方を済ましたいと考えるでしょう。
実は、1度に両方の運動を実施するトレーニング(同時トレーニング)では、一方の運動がもう一方の運動効果を妨げる可能性があります。
この現象は「干渉効果」と呼ばれていて、特に有酸素運動を行った後に筋トレをすると、筋力の成長が妨げられることがあります。
今回、研究グループは、同時トレーニングを実施しても、持久力や筋力が十分に向上するために、筋タンパク質の合成を高め、筋肉のリカバリーを手助けするプロテインをトレーニング直後に飲むことが役に立つという仮説を立てて、実験を進めました。
実験では、運動習慣のなかった男女(平均年齢27歳)をプロテイン群とプラセボ群に分けました。
この際、プロテイン群は40gのタンパク質が含まれるプロテインを150mlの低脂肪乳で割ってトレーニング直後に飲み、プラセボ群は同じカロリーを含みますが、タンパク質が5gしか含まれない食品を同じように低脂肪乳で割って飲みました。
これは、タンパク質の摂取量とは別に、エネルギー摂取量の差が結果に影響しないようにするためです。
また、すべての参加者は、自分の飲み物がプロテインなのかどうかを知らない状態で摂取し、プラセボ効果(参加者の期待や思い込み等が結果に影響を与えること)を防ぐための配慮もされています。
肝心なトレーニング内容は、1回1時間未満で、はじめに1分間の高強度を行い、その後1分間の低強度で休むというインターバル形式の有酸素運動をエアロバイクで5セット実施します(簡単なウォームアップとクールダウンを含みます)。
その後、上半身2種目(チェストプレス、ラットプルダウン)、体幹2種目(ローワーバック、アブドミナルクランチ)、下半身1種目(レッグプレス)からなる筋トレを各種目3セットずつ行います。
このようなトレーニングを週2回、8週間続けた結果、プロテインを飲むことで、どんなメリットがあったのでしょうか?