アスファルトに内包された胞子が開き、わずか1時間でひび割れが自己修復された
![胞子含有型の自己修復アスファルトは道路の穴を防止できる](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/1280-x-670-px2024-2025-02-07T163200.283-900x471.jpg)
AIが設計したアスファルトは本当に自己修復ができるのか?
研究者たちは実際に性能テストを行ってみました。
結果、この自己修復アスファルトが1時間以内に目に見えないほどの小さな亀裂を完全に修復できることが確認されています。
またサンプルを一定の負荷や温度変化にさらしたところ、通常のアスファルトよりも亀裂の進行を抑制でき、数十%程度道路寿命が延びる可能性が示唆されました。
まだ実際の道路環境での長期耐久テストは始まったばかりですが、今後数年のうちにイギリスを中心とした実証実験が計画されています。
道路の穴による修理コストは世界的に見ても莫大です。
たとえば米国では、道路の穴が原因で車に損傷を受けたドライバーが年間で10人に1人の割合にものぼり、2021年だけでも車両修理費が約265億ドル(約3.5兆円)に達したとの報告もあります。
英国でも道路の穴の修復に毎年1億ポンド(190億円)以上が投じられており、こうした課題は先進国から途上国まで、場所を問わず共通した社会問題といえます。
自己修復アスファルトが実用化されれば、こうしたメンテナンスコストを大幅に圧縮できると期待されています。
またアスファルト生産は石油資源に大きく依存し、炭素排出量も高いのが課題でした。
しかし、本研究ではバイオマス廃棄物やリサイクル油といった持続可能な資源を活用することで、石油由来製品の使用量を抑えられる可能性があります。
また、アスファルト自体が長持ちすれば、道路の補修や新たな舗装に使われる資源を減らせるため、さらに環境負荷を低減できるでしょう。
自己修復アスファルトは、従来のアスファルトの問題を劇的に解決する可能性を秘めた次世代のインフラ技術です。
道路という身近なインフラが、AIとバイオマス技術を活かした「自己修復能力」を備える──そんな新時代がすぐそこまで来ているかもしれません。
過積載車両通行にり胞子が割れて路面が軟化、破損が多発とかなりそう