・前のめりの「悪い」姿勢と、背筋を伸ばした「良い」姿勢では、後者の方が計算しやすいと答えた学生が多かった
・前のめりの姿勢は「防御」の姿勢であり、ネガティブな記憶につながる
数学のテストや、大勢の前で話をしなければならないとき、車のヘッドライトに照らされたシカのように、足がすくんでしまったことはありませんか?
多くの人がそのような場面を経験したことがあるかと思います。今度そんなシチュエーションに遭遇したら、ぜひ「姿勢」を気にしてみてください。一気に状況が改善するかもしれません。
サンフランシスコ州立大学の研究者たちが、姿勢と簡単な数学のテストの成績を絡めた実験を行っています。
http://www.neuroregulation.org/article/view/18396
125人の大学生を対象に行なったこの実験。参加者は「前のめりの悪い姿勢」か「背筋を伸ばした良い姿勢」のどちらかで、「843」から「7」を連続で引き算していくといった作業を15秒間続けました。
その結果、56%の生徒が「背筋を伸ばした良い姿勢」の方が計算しやすいと答えたことが明らかになりました。
研究チームの一員であるリチャード・ハーベイ教授によれば、前のめりの姿勢は「防御的」な姿勢であり、ネガティブな記憶の引き金になりかねないとのこと。
生徒たちは実験前に、数学のテストに対する自分たちの「不安レベル」を測定するアンケートに記入。そして、もともと数学のテストに不安を感じていなかったグループは「良い姿勢」の恩恵をあまり受けていませんでした。つまり、数学に関するネガティブな記憶自体がなかったために、悪い姿勢においてもパフォーマンスに大きな差異が表れなかったことが考えられます。
研究者たちは、この「良い姿勢」が「数学」においてのみメリットを発揮するのではなく、プレッシャーがかかる他の場面においても効果があることを主張します。アスリートやミュージシャン、人前でスピーチをしなければならない仕事などにおいても「良い姿勢」のメリットを感じられるとのこと。
シンプルで、簡単にコントロールできるにも関わらず、見落とされがちな「姿勢」といったファクター。特に数学が苦手な人はぜひ、いま一度自分の「姿勢」を見直してみましょう。
via: medicalxpress / translated & text by なかしー