意識不明でも脳は外部刺激に反応している!?
この研究が示した最大のポイントは、外部から見ると無反応に見える患者でも、脳内では外界を認識し、反応している可能性があるという点です。
例えば、過去の研究では「患者の耳元で家族の声を聞かせた際に、脳波が変化する」といったケースも報告されています。

今回の研究では、そうした隠れた意識を発見するための新たな手法として、スリープスピンドルが有望な指標になる可能性を示しました。
研究チームは、今後さらに精度の高い診断技術を確立するため、AIを活用したEEGデータ解析にも取り組んでいます。
今回の研究成果を活かせば、スリープスピンドルを指標として、回復の可能性が高い患者に積極的なリハビリを提供することが可能になるかもしれません。
現在、EEG(脳波測定)を活用した診断法の標準化が進んでおり、これにより重度の脳損傷患者の意識状態をより正確に評価し、適切な治療の選択が可能になることが期待されています。
また、この傾向を逆に利用して、意識不明患者のスリープスピンドルを増強する治療法が開発される可能性もあります。
たとえば、経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いたスリープスピンドルの誘導や、個別最適化された神経刺激プログラムなどで、意識回復を促進できるかもしれないのです。
意識不明の患者が実は我々の目からは「隠れた意識」を持っているかもしれない——。
この発見が、今後の医療にどのような変革をもたらすのか、注目が集まります。
「スリープスピンドルが一定の閾値(1分間に5回以上)を超えた患者は、6カ月以内に意識を取り戻す確率が80%以上」
てことはだよ、光と音、接触、電気などの外部刺激によって脳波を変化させてスリープスピンドルを出すようにしたら意識を取り戻しやすいということはない?。