Credit:canva
psychology

日本の若年層に「適応障害」が増えている—9年間で患者数が2.5倍に (2/2)

2025.03.22 12:00:00 Saturday

前ページ新旧の雇用制度のズレで真面目な若者ほど陥っている「適応障害」

<

1

2

>

「心がつらいとき、まずできること」“がんばりすぎない”ための心のセルフケア

まず知っておきたいのは、適応障害は単なる「気の持ちよう」ではなく、誰でも陥る“環境とのミスマッチ”による心の疲弊だということです。

真面目で責任感が強い人ほど「こうあるべき」「頑張らなきゃ」と自分を追い込みやすく、ストレスに気づきにくい傾向があります。

そして、「限界に気づいたときにはすでに心が折れかけていた」というケースも少なくありません。

また、「周囲に迷惑をかけてはいけない」「弱音を吐いたら評価が下がる」といった思考も、心理的な逃げ場を奪い、悪化を招く一因となります。

では、適応障害に悩む人が自分でできる対処法にはどのようなものがあるのでしょうか?

以下は心理学的に有効とされる具体的な「自分を守るための方法」です。

まず1つ目は「ストレスモニタリング」です。 日記をつけたり、アプリで気分の記録を取ったりして、自分がどんな場面で不調を感じやすいかを可視化することで、問題が明確になり、自分を責める思考から距離を置けるようになります。

2つ目は「認知の再構成」です。 「失敗してはいけない」「常に頑張らなければ」といった思考状態は、ストレスの温床になります。そこで極端な思考を紙に書き出し、「それは本当に事実か?」「別の捉え方はできないか?」といった問いかけを行っていくと、自分自身の思考のクセを見直し、もう少し柔らかい考え方へと導いていく練習ができます。

3つ目は「心理的安全の確保」です。 ストレス源から一時的に距離を取ることで、心をリセットする時間を確保できます。 これは“逃げ”ではなく、再び前進するための「戦略的撤退」とも言える大切な選択です。

Credit:canva

最後に重要なのが「感情の共有の再発見」です。 問題を解決してくれる人でなくても、ただ話を聞いてくれる存在がいることが、心の支えになり得ます。 自分の感情を素直に話せる相手とのつながりは、回復の大きな助けになります。

適応障害は、変化の激しい社会の中で誰もがかかる可能性のある“心の疲れ”です。特に真面目で責任感のある若年層ほど、無理をしやすい傾向があります。

自分を守ることは、甘えではなく「回復のスタートライン」です。

悩んでいる人は、さまざまな問題から一度距離をとって、自分の心の声に耳を傾けてみませんか?

<

1

2

>

日本の若年層に「適応障害」が増えている—9年間で患者数が2.5倍に (2/2)のコメント

経験者

一番大切なのはカウンセリングです。

「公認心理師」(唯一の国家資格)を持つカウンセラーを選び、怪しげな民間資格のものは避けましょう。

カウンセラー伴走のもと、しっかり内面を深掘りし、同時に俯瞰することを身に着けなければ、薬を飲んでも改善しないどころか、副作用や依存症に苦しめられます。

日本の精神科医療はガッツリ投薬一辺倒で、医者もその方が出世できるためカウンセラーは希少ですが、薬で一時的に回復しても、根本的に「思考」が変わらなければ必ず再発します。

繰り返す不調に寛容な雇用主は、残念ながら多くありません。

相場は5,000円/時間で、決して安くはありませんが、何年も(時には十数年以上)薬と一蓮托生になるより、遥かに安全でコスパが高いのでオススメです。

ゲスト

最近ネットで、Z世代が老人のせいで生きづらいと嘆いているという話しが出てたが、真面目にコツコツ稼いでも半分近く税金に抜かれてしまえば、そりゃどうしようもない閉塞感にうちひしがれてしまうわな   このあたりの現実に根本的な原因があるのではないだろうか?

ゲスト

職場での適応障害の増加の考察としては一理あるのだろう。
ただ、不登校の増加も根っこは同じではないか?
旧制度を残したまま外圧か何か知らないけど新制度をコンセンサスもなく導入してきた、もしくは友達とはスマホでテキストベースのコミュニケーションが大半なのに、仕事では直接会わないと上手く行かないことが多いことへのギャップなど。
あとは発達障害も増えているらしいので診断基準も変わったのかも。

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

0 / 1000

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

心理学のニュースpsychology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!