嘘をつく行動(不正)はその人の性格に依存している
実験を行った結果、嘘をつく行動は一貫して維持されることが確認されました。
つまり嘘で利益を得た人たちは、その後どれだけ期間を空けても、一貫して嘘をつく選択を繰り返したのです。
この実験では特に嘘をつくことに罰則を与えていません。そのため人によっては、罰則がないならそりゃ利益になるなら嘘をつくのは当たり前だろうと考えるかもしれません。
しかし、こうした実験デザインも研究者たちの意図している部分です。
実は今回の研究では、性格特性についても詳しく調べられています。すると誠実性(正直さや倫理感)が高い人は、どんな状況でも嘘を避ける傾向が強く、誠実性が低い人々は、金銭的利益や面倒な作業を避けるために嘘をつきやすい傾向が見られたのです。
つまり、今回のような嘘を簡単につける状況で、しかも嘘をつけば利益が得られる状況でも、誠実性の高い人は一貫して嘘を避けていたのです。

一方で、誠実性が低い人達は、どれだけ期間を空けても、一貫して嘘をつく選択を繰り返しました。
この研究の結果は、嘘をつく行動が人によって一貫しているという事実を示した点が重要なポイントです。
つまりその人の状況や考え方が変化する期間を置いても、この行動パターンが繰り返されるということは、不正に対して十分な罰則などの介入がない限り、その人の行動は基本的に変わることがないということを示しています。
これは、企業や社会での不正行為を防ぐための取り組みがどれほど重要かを理解する手がかりにもなります。
大した利益にもならないことで立場ある人が嘘や不正をしているとしたら、それはその人の若い頃からの性格によるものかもしれません。
そのため、不正をする傾向が強い人々には、早期の介入や教育が必要であることが分かります。
特に、企業や学校などでの不正行為を減らすためには、単に罰を与えるのではなく、誠実性を高める教育や、倫理観を養うための社会的な取り組みが効果的であると考えられます。
不正を働くような人は、どんな立場や状況になってもそれを繰り返す可能性があります。そのことを心に留めておきましょう。