どんな「生命のサイン」が見つかったのか?
研究チームは今回、K2-18bにおける生命の兆候を探すために、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の中赤外線機器を使い、これまでと異なる波長の光でK2-18bを観測しました。
その結果、惑星の大気中に「生命の兆候(バイオシグネチャー)」と考えられている2種類の化学物質の存在が検出されたのです。
それが「ジメチルスルフィド(DMS)」と「ジメチルジスルフィド(DMDS)」です。
これらの化学物質は地球上において、主に植物プランクトンと呼ばれる微細な海洋藻類によって生産されることが知られているのです。
確かに、これらの化学物質は無機的なプロセスでも生成され得るものですが、K2-18bで観測されたDMSの濃度は、地球上のレベルの数千倍にも達しており、「生命のサイン」の可能性を強く示唆していました。

一方で、チームは慎重な姿勢を強調し、これらの発見を確認するためにはさらなる観測が必要であり、今回の発表が「決定的な生命の発見を意味するものではない」と述べています。
研究主任のニック・マドゥスーダン(Nikku Madhusudhan)氏は、こう述べました。
「私たちが今回得たものは、太陽系外で生物活動が存在する可能性を示す“兆候”にすぎません。
それでも私たちは、これまでで最も生命に起因する特徴を捉えた可能性に近づいたと考えています」
さて、私たちが暮らす地球の他に、生命の存在する惑星はあるのでしょうか?今後の調査に注目が集まります。