名誉学位を授与された猫マックス――癒しの天才だった
2024年の卒業式のこと。
大学側は、卒業生の大きな門出に際して、マックスの存在がどれほど人々の支えになってきたかを称え、公式な”学位授与”という形で彼への感謝を示しました。
なんとマックスは、人間の卒業生たちが学位を授与される中、自身もネコでありながら、名誉学位を授与されたのです。

ちなみに、マックスに授与されたのは”Doctor of Litter-ature“(litter=ごみ、literature=文学にかけたダジャレ学位)でした。
「cat litter」といえば「猫砂(ネコの飼育に用いられる排泄用の砂)」のことであり、マックスには、なんとも粋で、ピッタリな称号が与えられたことになります。
マックスが特製の角帽を身に着けた画像も作成され、彼は、堂々と”卒業”を果たしたのです。
もちろん卒業した後もマックスは大学に留まっており、引き続き学生たちに愛を振りまいています。

今回の出来事は単なる”微笑ましいニュース”に留まりません。
よく考えてみれば、マックスの存在は大学コミュニティにとって多くの意義を持っていました。
1. 精神的な支え
大学生活は楽しいだけでなく、試験や就職活動などストレスの多い時期でもあります。
そんな中、マックスは学生たちにとって無言のセラピストでした。
彼に触れることで心がほぐれ、孤独感や不安を癒す役割を自然と担っていたのです。
2. 地域とのつながり
マックスの存在は大学と地元住民をつなぐ”象徴”にもなりました。
学生だけでなく、地域住民も彼の存在を知り、親しみを感じることで、大学と街の間に温かな交流が生まれました。
3. 多様な価値観の尊重
“学位”といえば普通は何年もの学びの末に得るものですが、ここでは”癒し”や”存在そのもの”が称賛されました。
この考え方は、多様な才能や個性を認め合う時代の象徴ともいえるでしょう。
日常生活でも、私たちは”役に立つ”ことばかりを重視しがちですが、ただそこにいるだけで人を幸せにする存在――そんな価値にももっと目を向けてもいいのかもしれません。

マックスに続く”名誉学位キャット”がこれから世界中に現れるかは未知数ですが、少なくともキャッスルトン校の人々にとって、彼は永遠に”学位を持つ猫”として記憶されるでしょう。
マックスは”超天才”な猫だから名誉学位を授与されたのでしょうか。
そうかもしれません。
確かに彼は、周囲に癒しを与える”超天才”でした。
猫嫌いな人には悪夢だったのかなって。
やはり人間は猫に支配されるのか…