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Credit: canva
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最初のバラはすべて◯色だったことが判明! (2/2)

2025.04.22 07:00:44 Tuesday

前ページバラの色が一気に増えたのはいつ?

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バラの祖先はどんな姿をしていたのか?

研究チームは、『中国植物誌(Flora of China)』に記載されているバラ属の84%にあたる、80種以上・205サンプルを収集しました。

これらのサンプルをもとに、最新のゲノム解析と集団遺伝学的手法を用いて、祖先の形質をたどりました。

DNA中の保存性の高い遺伝マーカーを解析することで、バラ種間の進化と地理的な関係が明らかにしています。

その結果、すべてのバラがさかのぼる共通祖先は「黄色い一重咲き(※)の花」を持ち、7枚の小葉を持つ植物であったことが判明したのです。

(※ 花びらが一重に咲くこと)

現在、赤やピンクのバラは情熱や愛の象徴とされていますが、もともとは黄色い花だったという事実は、多くの人にとって意外に感じられるかもしれません。

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バラのゲノム解析/ Credit: Bixuan Cheng et al., Nature Plants(2025)

また、この研究は「バラ属の起源が中央アジアにある」という従来の定説にも新たな視点をもたらしました。

実際には、中国の乾燥した北西部と温暖湿潤な南西部という、2つの異なる地域で多様化が進んだことが示されています。

このような発見は、今後のバラ育種に大きな影響を与えるでしょう。

野生種が持つ耐病性、香り、美しい色といった遺伝的資源を利用することで、気候変動に強く、育てやすい新たなバラの開発が期待されています。

また、色素形成に関与する遺伝子の進化過程も明らかになったことで、将来的には遺伝子操作や選抜育種によって、より自由な色彩パターンのバラを創り出す道も開かれるでしょう。

バラのゲノムを読み解く旅はまだ始まったばかりですが、この研究はその未来に大きな可能性を示すものとなります。

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