シャンパンは「心臓突然死」を予防できるのか?
これまでの研究で、赤ワインには抗酸化作用を持つポリフェノールの一種「レスベラトロール」が豊富に含まれており、心血管の健康に良いことがわかっていました。
そのため、「赤ワインを適度に飲むと健康に良い」ことが以前から一般的に知られていましたが、他方で白ワインやシャンパンについては、それほど注目されていませんでした。
しかし今回の研究では、赤ワインに限らず、白ワインやシャンパンを定期的に飲んでいる人々にも、心臓突然死のリスクが有意に低い傾向があることが示されたのです。
心臓突然死とは、いたって健康だと思われていた人が突然、不整脈に襲われて心停止が起こり、脳に血液が循環せず死に至る疾患です。
日本では心臓突然死によって年間約6〜8万人が亡くなっており、倒れてから数分以内に治療が行われなければ、多くの場合命を落とす深刻なものです。

英国では毎年約3万人が病院外で心臓突然死を起こしており、世界的にも非常に多くの死亡原因となっています。
このような重大な疾患に対し、日々の食生活や飲酒習慣が影響するという事実は、私たちにとって見逃せない情報です。
とはいえ「お酒が健康にいい」と聞くと、つい都合よく解釈したくなるのも人の性。
果たして、今回の研究はどのような視点からこの仮説に迫ったのでしょうか?