心臓突然死を予防する因子を発見
研究チームは今回、英国の大規模な生体情報データベースである「UKバイオバンク」を活用し、中高年の男女50万2094人を平均13.8年間追跡しました。
追跡期間のうちに3147人が心臓突然死に見舞われています。
研究者たちは、生活習慣、社会経済的要因、心理的要素、地域の環境(例:大気汚染)など、臨床データでは捉えきれない「非臨床的な要因」まで含めた合計56のリスク因子を洗い出しました。
分析手法には、環境因子と健康リスクの関連を網羅的に評価する手法と、因果関係の強さを検証する手法が用いられました。
その結果、果物の摂取、健康的な体重維持、前向きな気分、血圧の管理、そして白ワインやシャンパンの定期的な摂取といった習慣が、心臓突然死のリスクを下げる保護因子となっていたことが判明したのです。
逆に、気分の落ち込み、高BMIや上腕の脂肪量、睡眠の質の低下、低い教育水準などは、心臓突然死のリスク因子として強く関連していることが示されました。

特に注目すべきは、シャンパンと白ワインの摂取に対する評価です。
これまで赤ワインの心血管保護効果ばかりが注目されてきましたが、今回の研究は「シャンパンや白ワインにも同様の、あるいは異なる形での保護効果がある可能性」を示唆しています。
この意外な結果について、研究者らは「赤ワイン信仰を見直す契機となり、白ワインやシャンパンの健康効果にも注目されるようになるだろう」と指摘しています。
もちろん、アルコールの摂取が一律に健康に良いわけではなく、過剰摂取は逆効果となるため注意が必要です。
それでも今回の研究は、飲酒習慣の“質”に注目すべきであることを教えてくれます。
お祝いの日でなくても、たまには晩酌にシャンパンを飲むといいかもしれません。
ノンアルのワインやシャンパン(あるのか分からないけど)だとどうなのですかね。