CEOが左利きだと会社が好調に⁈
研究チームは今回、1992年から2015年の間にアメリカの企業に在籍していた1,008人のCEOを対象に、その利き手を判定しました。
利き手の情報が公表されていないCEOについては、手書き、食事、ゴルフ、腕時計の着用位置といった情報から利き手を特定し、必要に応じて企業に直接問い合わせるなど、徹底的なデータ収集が行われました。
結果として、右利きのCEOが91.4%、左利きが7.9%、両利きが0.7%という割合が確認されました。
次に、各企業の特許出願数や被引用数を指標として、業績や事業の革新性のレベルを測定。
さらに企業の財務データ、業界特性、CEOの学歴や年齢、創業者であるか否かといった要素も加味して、統計的な分析が行われました。
その結果、左利きのCEOが率いる企業は、そうでない企業に比べて明らかに多くの特許を出願しており、しかもそれらの内容は既存技術の改良ではなく、まったく新しい発想に基づくものである傾向が強いことがわかったのです。
加えて、左利きのCEOは自身が発明者として特許に関与する割合が高く、STEM分野(※)における外国人技術者の雇用も積極的に行っていました。
これは人材獲得においても先見性と柔軟性を持っていることを示唆しています。
【※ STEMとは、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・数学(Mathematics)の頭文字を綴った略語】

最終的に、左利きのCEOが率いる企業は、総資産利益率(ROA)や株式の長期保有リターンといった財務的なパフォーマンスにおいても、右利きのCEOの企業を上回る成果を出していたのです。
これまであまり注目されてこなかった「CEOの利き手」という特徴が、企業経営の革新性や業績にまで影響を与えているという事実は、多くの読者にとって意外に感じられるかもしれません。
もちろん、利き手だけですべてが決まるわけではありません。
けれども、CEOの個性や認知特性が経営に与える影響は、今後さらに注目されるべき研究領域といえるでしょう。
さて、皆さんの会社のトップは右利きでしょうか、左利きでしょうか?
左利きというだけでそうなるわけではないのは私が証明しているので利き腕に関わらず皆さん努力しましょうね。