ローズマリーが認知機能を高める仕組みとは?
ローズマリーは、地中海沿岸を原産とする香り高い植物で、古代ギリシャやローマでは「記憶力を高める香り」の象徴として扱われてきました。
当時の学者や学生たちは試験前にローズマリーを身につけたり、香りを嗅いだりして集中力を高めようとしたと伝えられています。
その理由は「気持ちがシャキッとする香りにある」と経験則で信じられてきたのですが、現代の科学もこれに注目し、調査が始まりました。
そのひとつがアロマ環境と認知機能の実験です。

被験者を2つのグループに分け、一方には無臭の環境、もう一方にはローズマリーの香りが漂う空間で記憶テストを行ったところ、ローズマリーの香りを嗅いだグループの方が有意に成績が高かったという結果が出たのです。
この効果の背景にあるのは、ローズマリーに含まれる「1,8-シネオール」という成分です。
この揮発性物質は、脳内の「アセチルコリン」という神経伝達物質の分解を抑える働きを持っています。
アセチルコリンは、学習や記憶にとって極めて重要な物質であり、そのレベルが高いほど認知機能が活性化することが知られています。
つまり、ローズマリーの香りを嗅ぐことによって、アセチルコリンの働きが保たれ、記憶力や集中力が一時的に高まる可能性があるというわけです。



























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