画像
絵文字を使うと人間関係を良好にできる / Credit:Canva
psychology

絵文字の使用で人間関係が良くなると判明【年齢・性別・絵文字の種類を問わない】

2025.07.04 20:00:44 Friday

絵文字をよく使うという人もいれば、苦手でほとんど使わないなんて人もいるでしょう。

LINEやSNSなどのテキストメッセージで、顔文字やハート、炎や音符のようなシンボルを使うかどうかは人それぞれです。

しかし実は、その「絵文字を使うかどうか」が、私たちの人間関係に大きな影響を与えていることがわかりました。

アメリカのテキサス大学オースティン校(UT Austin)の研究者は、260人を対象にした実験で、「絵文字を含んだメッセージは、より相手に“気にかけられている”と感じさせる」ことを発見したのです。

この研究成果は2025年7月2日付の『PLOS One』で発表されました。

Sending emoji more often can actually improve your relationships https://newatlas.com/health-wellbeing/sending-emoji-improve-relationships/ Emoji use may impact relationship outcomes, study reveals https://phys.org/news/2025-07-emoji-impact-relationship-outcomes-reveals.html
The impact of emojis on perceived responsiveness and relationship satisfaction in text messaging https://doi.org/10.1371/journal.pone.0326189

絵文字の使用が及ぼす「人間関係への影響」を調査

現代のコミュニケーションの多くは、LINEやメッセンジャーなどのテキストを通して行われています。

しかし、テキストだけでは相手の感情や意図が伝わりづらく、時には誤解が生じることもあります。

そんな中で、絵文字は「感情を補足する視覚的なツール」として使われてきました。

画像
様々な絵文字(顔文字) / Credit:Canva

たとえば 『にっこり笑う顔』、『涙を流す悲しい顔』、『炎=熱意や情熱を示す』、『紙吹雪=祝福やお祝いを示す』など、さまざまな絵文字は、文章に彩りを加え、親しみやすさや感情の機微を伝える役割を果たします。

とはいえ、若年層を中心に日常的に絵文字を使う人もいれば、「軽く見える」「ビジネスには不適切」と感じて避ける人も少なくありません。

このような文化的・世代的ギャップが存在する中で、研究チームは「絵文字が人間関係に与える影響」を科学的に検証しました。

研究を行ったのは、テキサス大学オースティン校の研究者です。

この研究では、260名の成人(23〜67歳)を対象にオンライン実験を実施しました。

参加者は、架空の15通のテキスト会話(送信者と返信者のやりとり)を読むように指示されました。

各会話には2つのバージョンがあり、内容は同じですが、返信に絵文字が「あるもの」と「ないもの」に分かれていました。

画像
絵文字なしと絵文字ありのテキストで、それぞれの印象を評価 / Credit:Eun Huh(UT Austin), PLOS One(2025)

全15通の会話に対してそれぞれ一つのバージョン(絵文字あり・なし)が無作為に割り当てられ、偏りがないよう設計されていました。

参加者は送信者になりきり、相手(返信者)への印象を評価しました。

評価項目は、応答性(相手が自分にどれだけ関心を持ってくれているか)、好感度(感じの良さ)、親密さ(どれくらい近しい関係だと感じるか)、関係満足度(この相手と良好な関係が築けそうか)などです。

評価には1〜7のリッカート尺度(「全く当てはまらない」「やや当てはまる」などから選択する評価法)が使用され、全ての会話について同じ基準で比較が行われました。

次ページ絵文字を使うと相手との関係が良くなると判明!

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

心理学のニュースpsychology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!