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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
psychology

ナルシシズム傾向が強い人ほど「過度な妄想中毒」に陥りやすいと判明 (2/2)

2025.07.16 07:00:24 Wednesday

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ナルシシズムと妄想の関係とは?

今回の研究は、自己愛性パーソナリティ(ナルシシズム)傾向と不適応性白昼夢の関係を科学的に検証しました。

調査では、18〜60歳の若者を中心とする562人を対象に、不適応性白昼夢尺度(MDS-16)と病的自己愛尺度(PNI)、さらに心理的防衛機制を測定する尺度(DMRS-SR-30)を用いて調査を実施。

心理的防衛機制とは、不安やストレスから自分を守るために無意識のうちに働く心の戦略のこと。

その適応度によって、ポジティブな「成熟型(ユーモア・昇華など)」か、ネガティブな「神経症型(抑圧・置き換えなど)」「未熟型(否認・投影など)」に分類されます。

その結果、以下のことが明らかになりました。

・自己愛傾向が強い人ほど、MDのスコアが高い

・MD傾向が強い人は、「成熟型」ではなく、「未熟型」や「神経症的」な心理的防衛機制に頼る傾向が強かった

・若い人ほどMDに陥りやすいが、性別による差は見られなかった

さらに「ナルシシズム → 防衛機制 → MD」という因果的な連鎖のモデルを統計的に検証したところ、

・未熟な防衛機制(否認・投影など)を通じてMDが強まる

・神経症的な防衛(抑圧など)も中程度に関与

・一方で、成熟した防衛(ユーモア・昇華)はむしろMDを抑える保護因子

という興味深い結果が示されました。

つまり、自己愛傾向のある人が現実のストレスに適応できず、心理的にネガティブな反応をしてしまった結果、「過度な妄想の世界に逃げる」という心理的パターンを強化してしまう可能性があるということです。

このメカニズムは、自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の診断基準にもある「誇大妄想的な空想」と重なっており、臨床的にも重要な示唆を与えています。

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Credit: canva

私たちは誰しも「こうありたい」という理想の自分を思い描くことがあります。

しかしその理想があまりにも現実と乖離し、空想の世界に逃げ込むようになってしまったとき、それは心のSOSかもしれません。

今回の研究は、自己愛傾向という一見「強そう」に見える性格の裏に、現実と向き合うことの難しさや自己評価の脆さが隠れていることを浮き彫りにしました。

もしあなたや身近な人が、現実よりも空想の世界に安らぎを求めるようになっていたら、その背景には、見過ごされがちな「心の不適応」が潜んでいるかもしれません。

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ナルシシズム傾向が強い人ほど「過度な妄想中毒」に陥りやすいと判明 (2/2)のコメント

わかんない

心理的防衛機制を測定したんですよね
MDは「成熟型」ではなく、「未熟型」や「神経症的」の傾向が強かった
で?
ナルシスとも?「未熟型」や「神経症的」の傾向が強かったのですか?
だから?ナルシストはMDの傾向がある?
????
因果関係が判明したのでしょうかね
大事な部分が説明なされてない気がしますが
ナルシストがMDの傾向があることが示唆されたとして、どのように示唆されたかは
心理的防衛機制を測定した結果から言えたことですと言われても
説明になってないじゃないか

ゲスト

かと言って彼らからそれを取り上げても何の救いにもならないばかりか彼らを余計苦しめるだけなわけでして。
彼らが苦しむ姿を見て楽しみたいというサイコパスだというのなら構いませんが、その場合はそっちのほうが明らかに危険なので治療しませんとね。
更にいうと創作というのはほぼすべてそこからくるものなので、妄想の否定は創作の否定でもあるわけです。
自由に妄想させてあげるべきです。
できればその妄想の内容を書き出したりしてくれると創作の助けになりますので、大変ありがたいのですがね。

現実は過酷なものだ

「ただの妄想」って、
現実の社会と想像の世界、その区別が付かなく
なることを(本人は自覚がない)(病識がない)、
妄想と呼ぶのでしょうから
皆さん全員、大変な生活だと思いますよ・・・

私も、空想のなかで生活しておりますが、
( 実際にはどうしようもないおじさんですが
空想の世界では百年に一度の美少女。)
自覚がありますから、まだ病院には行っていないんですね、、。

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