画像
Credit: MIT – Exclusive: A record-breaking baby has been born from an embryo that’s over 30 years old(2025)
science

【世界最長記録】30年冷凍保存されていた受精卵から、ついに赤ちゃんが誕生 (2/3)

2025.08.04 12:00:20 Monday

前ページ30年前の「小さな希望」が、未来へとつながるまで

<

1

2

3

>

冷凍保存された受精卵の親探し

アメリカでは、長期間保存された胚を受け入れる不妊治療クリニックはごくわずかです。

保存方法が古く、解凍時にうまく着床しないリスクが高いため、多くの医療機関は古い胚の取り扱いを拒否しています。

そのため、リンダさんも多数のクリニックから門前払いを受けました。

ようやく受け入れてくれたのが、カリフォルニア州の「ナイトライト・クリスチャン・アダプションズ」が運営する「スノーフレーク・プログラム」でした。

この団体は、胚を単なる細胞ではなく「潜在的な命」として尊重する立場をとっており、提供者と受け取り手の双方の意向を尊重したマッチングを行っています。

リンダさんは「アメリカに住む、白人でキリスト教徒の既婚カップル」を条件に提示しました。

その結果、受け入れ先として選ばれたのがオハイオ州に住むリンジーさんとティムさんのピアース夫妻だったのです。

画像
ピアースさん夫妻/ Credit: MIT – Exclusive: A record-breaking baby has been born from an embryo that’s over 30 years old(2025)

夫妻は7年にわたり不妊に悩み、複数の医師の診察を受けていました。

養子縁組を視野に入れて調べていたときに、スノーフレークの存在を知り、「どんな胚でも受け入れる」という条件で登録したといいます。

「まさか30年前の胚があるとは思わなかった」とリンジーさんは語っています。

次ページ凍結技術と解凍の難関、そして「新たな命」の誕生

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

サイエンスのニュースscience news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!