数学界を揺るがす反証の衝撃

17歳の無名の学生が40年越しの数学の常識を覆した──このニュースは数学界のみならず世界を驚かせました。
ある専門家は「皆が衝撃を受けた、こんなことは見たことがない」とコメントし、長年信じられてきた前提が崩れた衝撃の大きさを物語っています。
今回の発見によって、数学者たちは調和解析の理論を見直し、新たな方針を考える必要に迫られました。
例えば、複数の波が関与する難問を溝畑・竹内予想を土台に一気に解決しようとするアプローチは、この反例によって使えないと分かりました。
発見者と同じくこの予想を証明しようと2年間取り組んでいた研究者も「我々は全員衝撃を受けた、こんなことは見たことがない」と語っています。
カイロさんの反例は「この道筋で一気にゴールへ到達することは不可能だ」と示しました。
しかし裏を返せば、研究者たちは方針を練り直し、局所的に扱ったりわずかな誤差を認める条件付きの形に緩めたりすることで、まだ成立しうる可能性も見えてきました。
実際、対数的なわずかな誤差を許容した新たな定理が築けるかもしれません。
数学では一つの予想が破れるとき、それ自体が次の研究の扉を開くことが少なくありません。
さらに注目すべきは、この快挙が17歳という若さで成し遂げられた点です。
ハンナ・カイロさんは幼い頃から数学に魅了され、孤独を感じるときは数学の世界に「逃避」していたといいます。
彼女にとって数学は芸術であり友人のような存在で、いつでも頭の中で探検できる広大な別世界でした。
その飽くなき探究心と創造力が、ついに世界の定説を覆す成果を生み出したのです。
カイロさんは高校や学部を経ずにメリーランド大学の博士課程に進学し、さらなる研究に挑んでいます。
高校卒業や学士号を持たずに直接博士課程へ迎え入れられるのは極めて異例であり、それだけ彼女の才能が突出していたことを示しています。
今回見つかった「数学の穴」が今後どのような発展につながるのか──数学という果てしない冒険はこれからも続いていきます。