世界17か国から集まった“海の社交場”の証拠
分析の結果、199件の異種間交流イベントが確認されました。
観察されたクジラは約7割がザトウクジラで、イルカはバンドウイルカが最も多く、次いでカマイルカやハラジロカマイルカが続きました。
行動の中で最も目立ったのは、イルカがクジラの頭部付近に集まり、波に乗って進む「バウライディング」です。
全体の約8割の事例でこの位置取りが見られ、イルカはクジラの頭の前で、水の流れに押されるように進んでいました。
また、イルカがクジラの横に並んで泳ぐ「並走」や、水面でのジャンプ、ゆったりとした蛇行泳ぎも多く記録されました。一方で、尾ビレで水面を叩くなどの攻撃的な行動は、全体の5%ほどしか観察されませんでした。

クジラ側も無関心ではありませんでした。
特にザトウクジラでは、体を回転させるローリングや腹見せ、胸ビレをイルカの方に向ける動きなどが見られ、これは友好的あるいは社交的なサインと解釈できると研究者は述べています。
さらに全体の約3分の1の事例では、ザトウクジラがイルカに向かってゆっくり接近したり、同じ方向へ並んで進んだりする「ポジティブな反応」が確認されました。中にはイルカをそっと押し上げるように水面へ持ち上げる珍しい行動もあり、研究チームはこれを「遊び」や「世話行動」の可能性があると述べています。
水中映像では、イルカがクジラを追って海底まで潜り、間近で泳ぎ続ける様子が確認されました。このときイルカはクジラの目の前に位置をとって視線を合わせるような動きも見られ、互いの存在を強く意識していることがうかがえました。
このような海底での接近は、船上からの観察だけでは分からなかった新しい発見です。
遊び、それとも戦略?
研究チームは、今回の交流の多くを「遊び行動」とみなしています。遊びは単なる娯楽ではなく、関係構築や感覚刺激、ストレス軽減などの役割を持ちます。
イルカにとっては、クジラの作る波に乗ることで省エネ移動ができ、刺激も得られるという利点があります。(これはイルカが船と並走する場合にも見られる部分です)
クジラにとっても、社交性や好奇心を満たす機会になっている可能性があります。
もちろん、過去にはイルカがクジラをからかうような行動や、獲物を奪うための接近も目撃されているので、常に両者が有効的なわけではないでしょうが、今回の研究は、SNSの投稿を利用することで、これまで少数の目撃報告のみで判断されていた問題を、統計的に分類し、イルカとクジラが友好的な交流をする場合が多いことを明らかにした点で大きな意義があります。
巨大なクジラと小柄なイルカが同じ海で遊ぶ姿は、人間にとっても心を和ませる光景です。海の中には、種の違いを超えて「楽しさ」を共有する瞬間があり、その一部を私たちはようやく垣間見始めたばかりなのです。
地上でも狩る側の生き物と狩られる側の生き物が一緒に行動してる光景とかあるみたいですから、人間が思っているほどは殺伐としていないのかもしれないですね。
相手が狩りに来ているのか、来ていないのかをどう判断してるのかがすごく気になると言えばなりますがね。
それが分かれば人間も彼らの縄張りに入る時にそれを真似しながら入ることでうっかり遭遇して睨み合いということは避けられますし。
「地上でも狩る側の生き物と狩られる側の生き物が一緒に行動してる光景」??
水中にそんな光景があるの?何をどう読んだら狩る側と狩られる側が一緒に行動してる話に読めるのか。そんな人が平気でSNSでコメントしてるから、怖い