アメリカで「ウジ虫に感染した女性」が発見される!
今回確認されたケースは、メリーランド州に住む女性が中央アメリカのエルサルバドル旅行後に発症したものでした。
2025年8月4日、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)とメリーランド州保健局によって正式にラセンウジバエの感染が確認されました。
症状は、皮膚の違和感から始まり、傷口には不自然な動きが見られ、医師の診察によりウジ虫の寄生が発見されたのです。
検査の結果、ラセンウジバエであると確定。
女性はすでに治療され、現在は回復済みです。
これは米国で報告された、旅行に起因するラセンウジバエ感染の人間症例としては、公式に確認された最初のケースです。
米国保健福祉省(HHS)は「現時点ではヒトへの国内感染拡大のリスクは非常に低い」と発表しています。
その一方で感染が広がっている中米地域では数百件の人間感染が報告されています。
例えば2025年7月の米国大使館の健康警報によれば、ニカラグアでは過去1年間に124件の人間感染が確認されており、重篤な症例が複数存在しています。
中には「脳にまでウジが達していれば命を落としていた」という医師の証言も報告されています。
こうした背景から、アメリカ合衆国農務省(USDA)は1億ドルを超える予算を投じて、不妊ハエの製造施設をテキサス州に新設し、週3億匹のハエを製造できるよう計画しています。
今回の事例は、単なる”珍しい寄生虫ニュース”にとどまらず、再定着による数十億円規模の畜産業被害や、国際間の防疫連携の必要性を改めて浮き彫りにする警鐘となっています。
ラセンウジバエは、ほんの小さな傷口から感染が始まり、自覚症状が乏しいまま進行するため、発見が遅れるなら命取りになり得る寄生虫です。
気候変動によってラセンウジバエの生息可能域が北上し、さらに国際的な人や動物の移動が増えている現代では、こうした“過去に封じられた脅威”が再び牙をむく可能性が高まっているのです。
南米のウマバエのこと?