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牛樟芝/ Credit: ja.wikipedia
biology

台湾の国宝キノコ「牛樟芝」に抗がん作用を発見!

2025.09.01 20:00:39 Monday

台湾にしか存在しない希少なキノコ「牛樟芝(ぎゅうしょうし)」

そのキノコに肺がん細胞を攻撃する力があることが、国立台湾大学(NTU)の最新研究で明らかになりました。

牛樟芝は「国宝キノコ」とも称され、古くから健康に良いと信じられてきましたが、現代科学がその秘密の一端を解き明かしつつあります。

研究の詳細は2025年5月28日付で科学雑誌『Carbohydrate Polymers』に掲載されています。

A Natural Fungal Polysaccharide That Fights Both Cancer and Inflammation https://www.asiaresearchnews.com/content/natural-fungal-polysaccharide-fights-both-cancer-and-inflammation This Rare Fungus Can Kill Cancer Cells, And We Finally Know Its Secret https://www.sciencealert.com/this-rare-fungus-can-kill-cancer-cells-and-we-finally-know-its-secret
A highly sulfated α-1,4-linked Galactoglucan of Antrodia cinnamomea with anti-inflammatory and anti-Cancer activities https://doi.org/10.1016/j.carbpol.2025.123810

台湾の国宝キノコ「牛樟芝」とは?

牛樟芝(ぎゅうしょうし)は、台湾にのみ自生する極めて珍しいキノコで、和名では「ベニクスノキタケ(学名:Antrodia Cinnamomea)」と呼ばれています。

このキノコは「牛樟(ぎゅうしょう)」と呼ばれる台湾固有のクスノキの内部にしか育たず、暗く湿った環境で1年にわずか1ミリほどしか成長しません。

そのため自然界で見つかることは非常に稀で、古来より「幻のキノコ」と呼ばれてきました。

他に「台湾の宝」「霊芝の王」「森のルビー」などとも呼ばれています。

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牛樟芝/ Credit: ja.wikipedia

台湾先住民の間では、牛樟芝は疲労回復や解毒、肝臓の不調に効く薬として珍重されてきました。

民間伝承だけでなく、近年の科学研究でも抗酸化作用、免疫調整、肝保護作用などが報告されており、台湾国内では健康食品や研究素材として注目を集めています。

その希少性と薬効の高さから、牛樟芝は「台湾の国宝キノコ」と呼ばれる存在となりました。

天然の子実体は極めて高額で取引されることもあり、現在では人工培養の技術が確立され、持続的に研究に利用できるようになっています。

しかし牛樟芝がなぜこれほど多彩な効果を持つのか、その具体的な仕組みは長らく謎のままでした。

次ページ「抗がん作用」を持つと判明!

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