相手に合わせると最高のハグに近づく
性格や感情、そして「誰とハグするか」に焦点を当てた後半の3ポイントを見ていきましょう。
4. 性格や気分に合わせて「距離感」を調整
「心配性」「神経質」といった性格傾向が強い人は、ハグでも少し距離をとりたがる傾向があります。
逆に「責任感が強く、社交的な人」はより密着したハグを好むことが分かっています(Ocklenburg et al., 2025)。
相手の性格や、その時の気分に配慮して「距離感」を調整することが、最高のハグを成立させるコツです。
5. 感情が高まると「左腕主導」が増える
ハグの際、多くの人は無意識に右腕から抱き始めるようです。
しかし、「とても感情が高まった」ハグでは、左腕を先に出す人が増えることが明らかになっています(Packheiser et al., 2019)。
これは、感情を司る右脳が左半身の動きをコントロールしているためと考えられています。
「思い切り気持ちを込めてハグしたい!」というときには、左腕から包み込むのは“科学的”な選択なのかもしれません。
6. 大切な人とのハグは特別な効果
日本の研究では、親子(親と乳児)でハグをすると、双方の心拍数が下がってリラックス効果が生じることが示されています(Yoshida et al., 2020)。
一方、見知らぬ女性と赤ちゃんでは同じ効果が得られませんでした。
つまり、「誰とハグするか」こそが、最高のハグの真価を左右する最大のポイントなのです。
ここまで考慮してきたように、科学は、ハグに“しっかりとした圧力”や“ちょうどいい長さ”、“相手に合わせる気遣い”が大切だと教えてくれます。
そして、信頼できる人とのハグには特別なリラックス効果があることも分かっています。
もし大切な誰かがそばにいるなら、ぜひ一度、科学が後押ししてくれる“最高のハグ”を試してみてください。
きっと、あなたの心にも温かな変化が生まれるはずです。