挑戦し続ける人こそ「価値観」に目を向ける
続いて、ボイズ博士が提案するプレッシャー対策の後半3つのヒントを紹介します。
4. 「ベストを尽くす」の「ベスト」を罠にしない
「すべてやりきれば満足できる」「毎回ベストを尽くせばいい」という考え方は、理想的に思えるかもしれません。
しかし実際には、「やれることを全部やる」ことも、「いつも全力でいる」ことも、人間には不可能です。
プロのランナーでさえ、毎日一番キツい練習をするわけでなく、最もハードなセッションは週の中で数回に留めることがあります。
それなのに、私たちが「毎日ベストを尽くさなきゃ」と自分を責め続けてしまうと、気持ちがどんどん苦しくなります。
パフォーマンスにはばらつきがあることを認めて、状況や気持ちに合わせて、適切な基準を選ぶ必要があります。
5. 「すでに証明できている自分」だったらどうするか考えてみる
プレッシャーに押しつぶされそうになったとき、「まだ何も証明できていない自分」として頑張るのではなく、「すでにやり遂げた後の自分」になりきって考えてみてください。
もし今の自分が「もう十分に証明できた人」「達成した人」「認められた人」だとしたら、きっと後輩や周りの人のお手本になる行動を心がけるはずです。
この考え方を試すことで、失敗や不調があってもそれを「自分を責める理由」とするのではなく、「失敗や挫折があったときこそ、どう対処するべきか」という前向きな見方を持つことができます。
6. 「目標」ではなく「価値観」に意識を向けてみる
目標(ゴール)は、「達成できたか、できなかったか」で判断されます。
でも、「自分にとって大切なこと」(例:誠実さ、成長、優しさなど)は、毎日の中で少しずつ意識しながら積み重ねることができます。
ボイズ博士は、たとえば「今日は記録を更新できなかったけど、一生懸命練習できた」「昨日よりも少し成長できた」と自分を認めることが、心の支えになると説明しています。
結果だけでなく、日々の小さな積み重ねを大切にしましょう。
ここまでで、プレッシャーに対処する6つのヒントを考慮しました。
これらを意識することで、頑張りすぎて苦しくなる悪循環から抜け出し、“自分らしく、長く、無理なく続ける”ことができるはずです。
高い目標に取り組んでいる人こそ、これらの考え方を試してみてください