自重の4000倍を支え、伸び縮みもする“人工筋肉”
この新型人工筋肉は、従来技術を大きく上回る圧倒的な性能を実現しています。
たとえば、1.25グラムという小さなサンプルで最大5キログラム(自重の4000倍)を支えることができます。
これは人間の筋肉では到底不可能な領域です。
また、人工筋肉が軟化した状態だと、元の長さの12倍まで“ゴムのように”伸ばすことができます。
さらに特筆すべきは、「work density(単位体積あたりの仕事量)」が1150kJ/m³という点。
これはヒト組織の30倍近くに達し、これまで報告されたソフトアクチュエータの中でも群を抜く記録です。
この“異次元”の性能を実現する仕組みの核心は、やはり「硬さの切り替え」と「形状固定・記憶機能」にあります。
この性質により、新しい人工筋肉は様々な分野での活躍が期待できます。
ウェアラブルパワースーツや医療補助デバイス、さらには人間とロボットが自然に動きを共有する“バイオインターフェース”への応用まで、広大な未来を切り拓く可能性があります。
かつてないパワーと柔軟性を両立したこの人工筋肉は、従来の“機械”という枠を超えた「何か」に近づきつつあります。
筋肉の最も重要な特性は縮むときに張力を発揮することのはずだが、その点に全く触れられていないのが謎。
つまり柔らかく伸びた状態から硬くなるときに縮んで重量物を引っ張り上げることができれば合格だが、伸びたまま硬化するのだとすれば無意味。