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Credit: canva
history archeology

16世紀の剣に「隠された刻印文字」を発見

2025.10.29 12:00:14 Wednesday

最先端のCTスキャン技術によって、16世紀の短剣に隠されていた刻印が浮かび上がったのです。

研究をおこなった独フリードリヒ・シラー大学イェーナ(FSUJ)によると、短剣に刻印されていたのは、剣を作った名匠のサインだという。

一体どのように刻まれていたのでしょうか?

Modern CT Technology Unveils Hidden Inscription on a Renaissance Sword https://arkeonews.net/modern-ct-technology-unveils-hidden-inscription-on-a-renaissance-sword/ Renaissance sword reveals a hidden engraving https://www.popsci.com/science/renaissance-sword-engraving/

歴史に埋もれた「短剣」

今回の発見の舞台となったのは、ドイツ東部チューリンゲン州に位置するフリードリヒ・シラー大学イェーナです。

この大学は1558年に創立され、ヨーロッパでも有数の長い伝統を誇ります。

発掘されたのは、大学の歴史的中核である「コレギウム・イェネンセ」の地下納骨堂。

ここには16世紀から19世紀初頭にかけて、教授や学生、その家族たちが埋葬されてきました。

そして彼らの棺には象徴的な副葬品や、個人の大切な品々も一緒に納められていました。

今回の短剣も、そのような副葬品の一つでした。

【錆びた短剣の画像がこちら

この剣は1558年頃、イェーナ大学創立直後のルネサンス時代に製作されたもので、持つことを許されたのは貴族や上流階級の限られた人々だけでした。

イェーナ大学は当時、そうした上流階級の子弟が集い、学び、交流するヨーロッパ有数の学術都市でした。

しかし、第二次世界大戦末期の爆撃でコレギウム・イェネンセは破壊され、何世紀にもわたる遺物や墓所は瓦礫の下に埋もれてしまいます。

やがて発掘調査が始まり、錆びついた剣も地下から掘り出されましたが、表面は厚い腐食層に覆われ、まるでその歴史を隠すかのように沈黙を保っていました。

数十年間、剣はアーカイブで保管されてきましたが、2018年、大学創立期の歴史をひもとく研究プロジェクトが始動します。

当初、研究者たちは「この剣の下に何かあるかもしれない」と直感しつつも、表面を削って確かめるわけにはいきませんでした。

なぜなら歴史的遺物を傷つけることはできなかったからです。

次ページ発見された「刻印文字」

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