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Credit: canva
health

ハチミツとココア豆を組み合わせた「チョコ風味ハチミツ」を開発

2025.11.21 07:00:06 Friday

ブラジル・カンピーナス州立大学(UNICAMP)の研究チームは最近、ミツバチのハチミツとカカオ豆の殻を組み合わせることで、チョコレート風味を持つ新しいハチミツの開発に成功しました。

原料はどちらも自然由来で、食品としても化粧品の素材としても利用可能な新甘味料として期待されています。

研究の詳細は2025年8月21日付で科学雑誌『ACS Sustainable Chemistry & Engineering』に掲載されています。

‘Chocolate-flavored’ honey created using cocoa bean shells https://phys.org/news/2025-11-chocolate-flavored-honey-cocoa-bean.html#goog_rewarded
Stingless Bee Honeys As Natural and Edible Extraction Solvents: An Intensified Approach to Cocoa Bean Shell Valorization https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acssuschemeng.5c04842

どうやって「チョコ風味ハチミツ」を作るのか?

今回の研究で使われたのは、ブラジルに生息する在来種ミツバチのハチミツです。

欧州種(セイヨウミツバチ)のハチミツよりも水分が多く、粘度が低いため、“天然の食用溶媒”として優れていることがわかっていました。

研究チームは、このハチミツを利用して、通常はチョコレート製造過程で捨てられてしまうカカオ豆の殻から、テオブロミンやカフェインといった機能性成分を抽出しました。

抽出には、超音波支援抽出技術 が使われています。

この方法は、金属ペンのような形状のプローブを、ハチミツとカカオ殻が入った容器に差し込み、音波によって殻から化合物を溶媒(ハチミツ)側へ効率的に移動させるものです。

この技術には次の利点があります。

・抽出が高速で効率的

・溶媒としてハチミツそのものを利用 → 化学溶媒を使用しない

・抗酸化物質(フェノール類)もハチミツに付加

食品としてそのまま利用できる

実際に研究者が試食したところ、ハチミツと殻の割合によっては 「チョコレート」 さながらの濃厚で甘い風味が得られたといいます。

とはいえ、官能評価(味・香り・食感)については今後さらに詳細な研究が予定されています。

また、この過程でハチミツに含まれる微生物も超音波により破壊される可能性があり、従来は冷蔵や低温殺菌が必要だった在来種ハチミツの 保存性や安定性が向上する可能性も示唆されています。

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