暑さ指標の高まりは、「暴力」「自傷」と関連している
これまで、気温の上昇が熱中症や心臓・呼吸器疾患を増やすことはよく知られてきました。
一方で近年は、暑さが人の心理や行動にどのような影響を与えるのかにも注目が集まっています。
過去の研究では、暖かい時期に暴力による死亡や自殺が増える傾向が報告されてきましたが、多くは月単位や年単位での分析にとどまっていました。
そこで今回の研究では、気温が上がった直後に、暴力や自傷に関連する医療受診が本当に増えやすくなっているのかを、日単位で検証することが目的とされました。
研究チームが用いたのは、1999年から2012年までの14年間にわたる、米国の公的医療保険であるメディケイドの請求データです。
分析対象となったのは、対人暴力および自傷行為に関連して病院を受診した33万2293件でした。
気温については単なる最高気温ではなく、湿度を含めた人体への熱ストレスを表す暑さ指標湿球黒球温度(WBGT)」が用いられています。
さらに、同じ人物の中で「暑い日」と「そうでない日」を比較するケースクロスオーバー研究という手法が使われ、個人差の影響をできる限り取り除く工夫がなされました。
その結果、気温が上昇した日ほど、暴力に関連する病院受診が多くなる傾向があることが分かりました。
具体的には、気温が5℃上昇した場合、対人暴力に関する受診は約1.5%多くなり、自傷行為に関する受診は約3.7%多くなると推定されています。
特に影響が強く現れたのは、暑くなった当日から翌日あたりのタイミングでした。
では、この影響はどのような人や地域でより顕著だったのでしょうか。 より詳しい結果とその背景について次項で見てみましょう。
























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